公式サイト:http://www.astaire.co.jp/mr.nobody/(音が出ます!)
監督・脚本:ジャコ・ヴァン・ドルマル
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
編集:マティアス・ヴェレス、スーザン・シプトン
録音:ドミニク・ヴァルニエ、ジェーン・タッターセル、フレデリック・デモルダー、
ルー・ソラコフスキ、エマニュエル・ドゥ・ボワッシウ
助監督:ルノー・アルカルド
視覚効果スーパーバイザー:ルイ・モラン
未来グラフィックデザイン:フランソワ・シュイテン
美術:シルヴィー・オリヴェ
衣装:ウラ・ゴーテ
メイクアップ:カーチェ・ヴァン・ダム
(2009年 フランス/ドイツ/カナダ/ベルギー)
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
ニモ(ジャレッド・レト)が目を開けると、目の前にはフェルドハイム医師と名乗る男がいた。
そこは、2092年の近未来。ニモは自分の事も、姿さえもわからないがその風貌は老人そのものである。
フェルドハイムに鏡を見せられ自分の姿に驚いたニモは自分が118歳であると知らされる。
(公式HPより転記させていただきました)
冒頭から主人公が死体で登場。。。。
車に閉じ込められたまま湖の底に沈む、どこの誰だかわからない人物に拳銃で撃たれる、
飛び込んできた隕石に破壊され宇宙船の外に放り出される、etc.
様々な方法で死に到るわけでして。しかも本人は118歳の現在、生存しているという矛盾。
ハリウッド映画でもありそうな設定という気もしますが、
やたらと刺激の強いソレとはちょっと違う、味わいのある今作品です。
主人公が手繰り寄せる記憶の中に登場するのは、父と母、
そして3人の女性、アンナ、エリース、ジーンです。
これらの人物との関係が、記憶の中でそれぞれパラレルに展開していきます。
赤い服を着たアンナとニモのストーリーは可愛くロマンティックで、
15歳の彼等を演じた二人の俳優さんのフレッシュな魅力に溢れていました。
アンナとの関係は相思相愛という事と、成長した後のアンナを演じたダイアン・クルーガーが
個人的に好きな事もあり、メインストーリーという感じを受けます。
一方、エリースとの関係はニモの片思い、ジーンとはジーンの片思いという事情から、
どこか不自然でゆがんだ人間関係という気がします。スタート地点から何かズレが生じているような。
ジャレッド・レトーは、118歳の老人も見事に演じきっていました。
この老人の矛盾だらけの記憶は、死ぬ事の自由が許されていないようなこの時代において
自分の意思で人生の選択を経験してきた老人の“一種の遊び”という気もしますが、
35歳から後の記憶が登場しないのも、キーポイントでしょうか。
ラストの展開も予想をいい意味で裏切ってくれた感があり、ニヤリとします。
そうそう、「チャプター27」のチャップマン役がジャレッド・レトーだったなんて!
過去作品を調べるまで全く気がつきませんでした。役作りすごいですね。
シネ・リーブル梅田にて鑑賞。