ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「白いリボン」 カンヌはやっぱり無音好き?!

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公式サイト:http://www.shiroi-ribon.com/

監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
脚本協力:ジャン=クロード・カリエール
撮影:クリスティアン・ベルガー
製作総指揮:ミヒャエル・カッツ
プロデューサー:シュテファン・アルント、ファイト・ハイドゥシュカ、
           マルガレート・メネゴス、アンドレア・オキピンティ
(2009年 ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア)
原題:DAS WEISSE BAND

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
第一次世界大戦前夜のドイツ北部。プロテスタントの教えを信じる村人たちに、
不可解な事故が次々と襲い掛かる。小さな村は不穏な空気に包まれ、村人は疑心暗鬼に陥り、
子どもたちは苦悩を感じ始めていた。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

継続する緊張感、不気味な美しさに取り込まれ、
2時間25分という上映時間を全く感じないほど見入ってました。
固唾を呑んで見つめるとは、こういうことかも。
ラストに事の成り行きが解明されないので、若干モヤッと感は残りましたが。

固定観念にガチガチになってる自分に、気づかされます。
チラシをさらっと見ただけで、戦争の犠牲になる子供達の話かなと思ってました。
無意識に子供を被害者として見てたんですね。(結果的にはそうなんですが)
子供にはこうあって欲しいという自分の価値観が崩れそうな時の、この不安感。

末の息子が牧師に鳥を渡すこのシーンは、まさに大人が思い描く無垢な子供の象徴かも。
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静かな恐怖と美しさの共存する、なんともいえないこの味わい。惹かれます。
そんな中、教師とエヴァとのエピソードはガス抜き的役割を果たしてました。
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けれどそんなエヴァも、教師とのピクニックを執拗に止めたがったり、何か疑惑を残しています。
考えてみると、ナレーションで(教師が)冒頭に言っていた「この話は全て事実とは限らない」的な
言葉も気になるし。これはあくまでも教師の独断と偏見が入っている、一方的な目線で語られて話かも
しれないなぁ等と、考え出すと全てに疑心暗鬼になってしまいます。
最初から妙に優等生的発言をしていたクララは、わかり易い怪しさでしたが。

それにしても、助産婦親子とドクター親子はどこへ消えたんですか?!
やっぱりモヤッとする〜。

テアトル梅田にて鑑賞。