ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「人生万歳!」 楽しけりゃ何でもありかも

公式サイト:http://jinsei-banzai.com/pc/

監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レティ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム
撮影監督:ハリス・サヴィデス
プロダクション・デザイン:サント・ロクァスト
編集:アリサ・レプセルタ
衣装デザイン:スージー・ベンジンガー
(2009年 アメリカ)
原題:WHATEVER WORKS

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
主人公のボリス(ラリー・デヴィッド)は、かつてはノーベル賞候補になりながら、
今ではすっかり落ちぶれてしまった物理学者。
ある夜、アパートに帰ろうとしたボリスは、南部の田舎町から家出してきた若い女性、
メロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)に声をかけられる。
(公式サイトより転記させていただきました)

WHATEVER WORKS

ウディ・アレンの40作目となるこの作品の舞台は、「メリンダとメリンダ」(2004)
以来となるニューヨーク。

シニカルな言動が多く、ネガティヴで偏執病でもある主人公は、
かつてNYを舞台にアレン自身が演じてきた役柄の延長線上にあるキャラクターやけど、
ラリー・デヴィッドが演じているせいか、なんか堂々として見えます。
ウジウジした気の小ささもあまり感じさせないし、小細工したりする事も無い。
なんだか妙にさっぱりしてるだけに、その発言は痛烈で手厳しさが増してる感じ。可愛げはありませんね。

しょぼくて理屈っぽい中年男が何故か美女に好かれてしまうというウディ・アレンの妄想世界が
展開するわけですが、ちょっと頭の弱い世間知らずな女の子が登場したあたりで、
「ヴィーナス」(2006年)を思い起こしました。
「ヴィーナス」と違うのはメロディが善良で、ボリス以外の異性からも美しいと認識される外見という事。
話の急展開と会話の面白さがアレンらしい映画で、こういう作品が好きな人なら期待通りじゃないでしょうか。

メロディの名前をメラニーと呼んだ後、ボリスの話が「風と共に去りぬ」に流れるくだりや、
彼女の父親がバーで他の客と会話をしているうちに、自分の性癖に気づくあたりの
シナリオ展開がうまいなぁと思います。結構笑いましたよ〜。楽しかった。

メロディのファッションがチープな感じかつ可愛いデス。エヴァン・レイチェル・ウッドやと
キャストをチェックするまで気が付きませんでした。メイクが薄いせいでしょうか。
マリリン・マンソンと婚約してるだけあって(関係ないか?!)、他で見るこの人の写真は
妙にメイクが濃くて。印象がここまで違うとは、さすが若手有望女優?!

75歳のウディ・アレン、相変わらず精力的に映画を撮り続けてはりますね〜。
日本で公開が待たれる次回作は、アンソニー・ホプキンスナオミ・ワッツ
スラムドッグ・ミリオネア』のフリーダ・ピント等が出演していてロンドンが舞台の
“You Will Meet A Tall Dark Stranger”、そして最新作ではパリへと舞台を移し、
オーソン・ウィルソンとマリオン・コティヤールが主役という事で、とても楽しみ!

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。