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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「森崎書店の日々」 〜ご当地映画的楽しさ〜

morisaki

公式サイト音が出ます!

監督・脚本:日向朝子
原作:八木沢里志
製作:小林栄太朗 / 久松猛朗
企画・プロデュース:越川道夫
音楽:野崎美波
撮影:猪本雅三
照明:北村憲祐
美術:松本知恵
音響:菊池信之
衣装:宮本まさ江
メイク:鈴木彩
助監督:小林憲史
編集:菊井貴繁
アシスタントプロデューサー:舘内亨太
監督補:松尾崇
(2010年 日本)

【ストーリー】
交際中である同僚の英明(松尾敏伸)からほかの女性と結婚すると言われ、
会社を辞めた貴子(菊池亜希子)は、叔父のサトル(内藤剛志)が経営する
神保町の古書店に住まわせてもらうことに。
小説に興味のなかった貴子だが次第に本の世界に引き込まれていく。
そんな中、偶然かつての恋人、英明の姿を見かけて…。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

関西から出た事のない身の上としては、“神田神保町”と聞いて思いつくのは古書の町という事、
大学や専門学校そして、かの「岩波ホール」があるという、文化的なイメージでしょうか。
この街に行った事がある方はもちろん、何かしらの思い出がある人が
この映画を見るともっと気持ちがワクワクするんやろなぁ〜。

そんなちょっと羨ましいような気持ちは、侯孝賢監督「珈琲時光」(2003年)を見た時も感じました。
この映画も、場所は違っても東京・東京近郊とそこを走る電車に馴染みのある方にとって
とても親しみを感じる映像なんやろうなぁと思ったんで。
(そうでなくてもとても素敵な映画なんですけどね)

正直に言うと、最初のうちは貴子が好きになれなくて。
目の前に出された食事(それもパスタ!のびるヨ〜)を食べずに一方的に話し続けてる態度とか、
テーブルに肘をついて食べる様子とか、いかにも鈍感な様子に「あっこの子、アカン」と思ってしまって。

叔父の経営する古書店に引っ越した貴子は、少しずつ回りの人達とも関わりを持ち、
尾崎一雄内田百間梶井基次郎といった大正〜昭和の日本文学にも次第に興味を持ちはじめます。
このあたりから徐々に貴子の伸びやかな部分が良い展開をみせて、
ちょっと彼女に好感を持つようになりました。
行きつけのカフェの店員、高野クン(他力本願!)のエピソードも楽しいし、
田中麗奈さん演じるトモコと貴子がくつろぐ屋根上のスペース、羨ましいデス。

内藤剛志さん、人好き・話好きで自由人っぽい感じがよく出てました。
古書に限らず本屋さんって、いつもワクワクして日常の中のプチ非日常のような
そんなスペースかな、私にとって。内藤さんのような素敵な店主がいれば尚更良いですねぇ。

ちょっと違和感を感じたのは、叔父にうながされて自分をふった元同僚に文句を言いに行くシーン。
送迎だけならわかるけど叔父さんのつきそいで家まで訪ねるってのは、子供じゃあるまいし、
なんかおかしいゾッ! 貴子の態度は全然弱気やし。

貴子に関しては、このシーンでも「もっとはっきりなんで言われへんの!」とか、
「この就職難の時代に、あんなつまらない男にふられただけで会社やめるなんて甘いわ!」とか
心の中でつぶやいていたんですが、そんな風に思ってしまうのは
私がそこまで苦しい恋愛を経験した事がないからかもしれませんね。
年だけくってて人生経験が浅いんやなぁと、ちょっと深みのない自分に気が付いたりします。

テアトル梅田にて鑑賞。

追記:
映画の中で、サトルが値段をつけるように貴子に言った本、
野呂邦暢さんの「愛についてのデッサン」らしいです。
古本屋の主人が主人公の青春小説という事で、がぜん読んでみたくなりました。

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(2006/06)
野呂 邦暢

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