ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

わたしの可愛い人―シェリ

CHERI1

公式サイト

監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:クリストファー・ハンプトン
製作:ビル・ケンライト
共同製作:アンドラス・ハモリ、トレーシー・シーウォード
撮影監督:ダリウス・コンジ
美術:アラン・マクドナルド
メーキャップ:ダニエル・フィリップス
編集:ルチア・ズケッティ
音楽:アレクサンドル・デプラ
衣装:コンソラータ・ボイル
(2009年 イギリス・フランス・ドイツ)
原題:CHERI
原作:コレット

シェリ (岩波文庫)シェリ (岩波文庫)
(1994/03)
コレット

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※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
ベル・エポックのパリ。1906年―。時代の空気が20世紀へと移り、
パリはヨーロッパで最も栄えた都市として謳歌していた。
そして、 その頃、ココット(高級娼婦)が史上もっとも栄えた時代であり、
彼女たちは国王、政治家そして、文化人を自分の意思で選ぶことのできる
裕福なセレブとして君臨していた。
(公式HPより転記させていただきました)

ミシェル・ファイファーはこの時おそらく51歳位ですが、年相応に(不自然ではなく)老けていて
なおかつ綺麗です♪ わたしがシェリでも惚れるなぁ。

一方、フレッド(愛称シェリ)を演じるのはルパート・フレンド
軽くて甘ちゃんな雰囲気が、ちょっとイラッとする位よく表現されてました。
2005年に彼が主役に抜擢された「クレアモントホテル」もこの1月に公開されるし、
中堅イギリス人俳優を代表する存在になりつつある気がします。

気高い大人の女性と大人になれない年下男性の恋愛。
よくある題材やし、個人的にはあまり食指が動かないんですが、
二人が恋に落ちる過程を描くのでななく、別れを描くという視点が良かったですね。

レアの存在が魅力的。年を重ねても美しさを維持している彼女は、
エレガントで品があり、知的で優れたビジネスセンスを持っているようです。
他の年老いた元ココット達が何か浅ましく醜悪に描かれる(これが面白かったんですが)中、
レア(ミシェル・ファイファー)だけは計算高くない。これが一番の魅力かもしれません。

映画の魅力としては、M.ファイファーに加え目の保養となる衣装や
建築・インテリアなどアールヌーヴォーの時代の美術。

マダム・プルー(キャシー・ベイツ)の屋敷で皆がくつろぐ場所、コンサバトリーというよりも
大温室というような広い空間。ここはとても美しく、やわらかい日差しがとても気持ちよさそうです。
CHERI2

この家の庭には薔薇のアーチがかかる散歩道もあり、とても素敵です。
一方、街中にあるレアの家もアール・ヌーヴォー様式で部屋の中も含め、美しい彼女にピッタリ。

衣装もため息ものでした。特に淡いブルーやグリーンを基調としたレアの衣装やヘッドドレス、
そして髪型がすばらしく調和していて美しかった。ナイトガウンにいたるまでお洒落です。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。