ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ブラジル映画祭2010 その2「ムトゥン 〜 今を生きる」

ブラジル映画祭2010公式サイト

muton

「ムトゥン 〜 今を生きる」Mutum
95min./2007年/ドラマ
監督:サンドラ・コグッチ
脚本:アナ・ルイス・マルチンス・コスタ、サンド ラ・コグッチ
出演:チアゴ・ダ・シルヴァ・マリス、ジョアン・ミゲル他

※ネタバレ含みます。

【あらすじ】
チアゴはミナス・ジェライス州の田舎町ムトゥンで暮らす10歳の少年。優しい母と大好きな叔父、
唯一の遊び相手でもある弟妹たちとの暮らし。そして不器用で乱暴な父への思い。
無垢な少年が見た裏切りと暴力に満ちた大人の世界とは…。
(チラシより抜粋させていただきました)

荒れた道を、白い馬が行く。出迎えるのは飼い犬たち。
久しぶりに会った母と息子の微笑ましいシーンのすぐ後には、父親の心無い言葉が。
厳しい大自然の中で助け合って生きているはずの家族ですが、不協和音が感じられます。

子供達の笑い声が響く平和な日常の中に、母親の裏切りや父親の暴力といった残酷な現実が
当たり前のように描かれます。
それ以上に一番気がかりだったのは、この子供が教育を受けられないという環境にあるという事。

ブルジル人のスキンシップは濃密でよいですね〜。家族間でハグする様子はうらやましかった。
主役の少年が魅力的。家を出る直前、今まではっきりと見えなかった人や風景を
一つ一つ確認するように見るシーンは印象的です。
チアゴの旅立ちの時、彼の未来が明るいものになれば!と祈らずにはいられませんでした。
牧童の「旅立ちの歌」がすごくいい♪

シネ・ヌーヴォにて鑑賞