ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

プチ・ニコラ

petit Nicolas

公式サイト(“作品情報”に進むと音が出ます!)

監督・脚本:ローラン・ティラール
脚本:グレゴワール・ヴィニェロン
(2009年 フランス)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
天真爛漫(らんまん)な小学生のニコラ(マキシム・ゴダール)は、
大好きな家族と友達に囲まれ楽しい毎日を送っていた。
そんなある日、両親の会話を耳にした彼は、母親にもうすぐ赤ん坊が生まれると勘違いする。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

面白い映画っていうのは、たいていオープニングから面白い気がします。
赤と白のシンプルな色彩の中で鉛筆画のようなイラストがイキイキと描かれ、
飛び出す絵本のように立体的に動きだす、そして口笛と自転車のベルの音が楽しい音楽。
これだけで、心浮き立ちます♪

フランスで50年間愛され続けている、ルネ・ゴシニ作、ジャン=ジャック・サンペが描く
国民的絵本「プチ・ニコラ」が原作。

プチ・ニコラ もうすぐ新学期 (かえってきたプチ・ニコラ (1))プチ・ニコラ もうすぐ新学期 (かえってきたプチ・ニコラ (1))
(2006/11/07)
ルネ ゴシニ

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↑この絵本の画風を見てもなんとなく想像できるんですけど、
“子供的可愛さ”が売りじゃない、エスプリの効いたキュートな映画でした。

まず主役のニコラですが、その表情が時々哀愁を帯び、30代のビジネスマンに
見えてしまうのは私だけでしょうか?! なんか笑える。
この大人をそのままコンパクトにしたようなマキシム・ゴダール君が、
子供子供してなくて結果的に良かったと思います。
(日本の子役の「私って可愛いでしょっ」みたいな雰囲気が、正直苦手です。)

ニコラの友人達や、先生達のキャラクターが楽しくて。原作も読んでみたくなります。
特にペネロペ・クルスにどことなく似ている、自転車大好きなクロテールの表情がいいですねぇ。
議員の質問に対して一所懸命考えをめぐらす彼を、私も応援しました。

ニコラが女の子に囲まれ言いなりになって嬉しそうにしているシーンが、平和で好きなんですよね。
ここのところ、たぶん共感される方がたくさんいらっしゃると信じます(^-^;A

「コーラス」「幸せはシャンソニア劇場から」にも出演していたカド・メラッド演じる
お父さんが大活躍する、後半の食卓シーンはもう最高!でした。
ああいうパントマイム的な笑いは、フランスらしくて大好き!
ニコラと一緒に笑ってしまいますよね。幸せな気分になる名シーンだと思います。
で、ママ役がヴァレリー・ルメルシエ! いかにも楽しいでしょ!
こういう(ナチュラルではないけれど)作り込まれた笑いも結構好きです。

「コーラス」で思い出しましたが、ニコラのクラスの合唱シーンで指揮してたのは、
ジェラール・ジュニョじゃなかったですか? 一瞬だったんで確信もてないんですが。

ローラン・ティラール監督、「モリエール 恋こそ喜劇」(2007)も笑わせてもらったし、
今後も要チェックです。もちろん、視覚的にも可愛い映画ですよ〜。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。