ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

チャンドマニ 〜モンゴル ホーミーの源流へ〜

chandomani

公式サイト

監督・脚本・編集・制作:亀井岳
撮影:古木洋平
(2009年 日本/モンゴル)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
田舎での遊牧生活を捨て首都ウランバートルで暮らすザワーの楽しみは、
アパートの屋上でホーミーを唄うこと。ある日、遊牧民の友人に会いにいったザワーは、
故郷チャンドマニに帰ることを決意する。
一方、民族劇場のスター、ダワースレンは楽屋でホーミーの発祥地、
チャンドマニのことを耳にする。
ザワーとダワースレンはチャンドマニ村を目指し、同じ長距離バスに乗り込む。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

いわゆるドキュメンタリードラマという形式。ノンフィクションでもフィクションでも無く、
登場する人達はそのままに、ロードムービー風に創作したという感じでしょうか。

モンゴルの文化やホーミーについてちょっとは知ってるつもりでしたが、
あ〜、ほとんど知らんかったんやなぁと気づきました。
ホーミー一つとっても、長唄のようなものや、笛でかなでるホーミー等など。

ダワースレンが在籍する劇場ではモンゴルの伝統芸能が上演されています。
モンゴルの様々な民族・部族が昔から受け継いできたそれぞれの音楽や舞踊等ですが、
特にオルティンドーという民謡は、長い節回しが印象的です。
オルティンドーの唄い手に馬風琴を借りにきたお姉さん、いいプロポーションやなぁと思っていたら、
なるほど、ダンサーの方でした。彼等のダンスもとてもユニークです。

そして、プロではなく実際に地域で生活しながら伝統文化を継承している方々。
彼らの表情が非常にイキイキとして印象的でした。
特にエケルの演奏者ザグドさん、彼の歌は正直ピンと来なかったんですが、
豊かな表情、穏やかな笑顔には引き込まれてしまいます。
オルティン・ドーの唄い手ドゥゲルさんの歌がまた、素晴らしい。

この話には、二つの旅と二人の旅が出てきます。
ザワーは幼馴染に会いにフトゥルに行き、その後チャンドマニ村に帰ります。
また、チャンドマニ方面を目指す乗り合いバスのエピソードは、
ザワーとダワースレン二人の旅のお話です。

どちらも面白いんですが、私は特にフトゥルでザワーが幼馴染と過ごす
何気ない時間のようなものが好きでした。牛について語る話が、なんだかよかったなぁ。
故郷を愛する気持ちが、そういう普通の会話から滲み出てるようで。

十三 第七藝術劇場にて鑑賞。
 
第七藝術劇場では、9/11日(土)〜9/17日(金)の1週間限定で「牛の鈴音」が上映されます。
 (午前中1回だけの上映みたいですが、詳しい時間等は劇場にお問合せくださいね)
 まだご覧になってない方は、この機会にぜひっ! 超おすすめの作品です。
 (今年の初め、この作品を観た時のレビュー)