監督:ゲツァ・フォン・ボルヴァリー
脚本:エルンスト・マリシュカ
撮影:ヴェルナー・ブランデス
(1934年 ドイツ)
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
激動のワルシャワから芸術の都パリへ・・・
“ピアノの詩人”ショパン(ヴォルフガング・リーベンアイナー)の若き日の愛と苦悩が、
初恋の人コンスタンティア(ハンナ・ヴァーグ)との悲恋を縦糸に、
ジョルジュ・サンド(シビル・シュミッツ)やフランツ・リスト(ハンス・シュレンク)ら
豪華な登場人物たちとの交流を横糸にして、鮮やかに描き出されます。
(チラシより転記させていただきました)
新鮮な気持ちでショパンを聴く♪ 新たな楽しみが増えたかも〜
この映画が製作された時代は、フリッツ・ラングをはじめ多くの映画監督や俳優がアメリカに亡命。
ビリー・ワイルダーもドイツの映画会社ウーファを離れ、辛くも亡命しています。
そんなナチス政権下の時代にドイツで製作されたこの映画、予想以上に面白いものでした。
フレデリック・ショパンについては、現在考証されている事実から離れたフィクションの
部分があるというこの映画。いい感じでフィクション化されているといった印象を持ちました。
ショパンの師エルスナー教授役のリヒャルト・ロマノスキーさんが、とてもユーモラスで
作品全体のトーンを明るいものにしています。
練習曲第3番ホ長調(別れの曲)には歌詞をつけて歌われたものもいくつかあるようですが、
この中でコンスタンティアが歌うこの曲は、とても美しいですね。
また、ショパン自らコンスタンティアにピアノ演奏しながら、詩を朗読するというシーンは
今までにないこの曲の楽しみ方を体験した思いでした。
“ラ・ボエーム”というレストラン、鶏のグリルが美味しそう! ソースを付けながら
鶏を直火で焼いているのかなんだか、そのショットが目に焼きついてます。
このレストランでは、メニューに描かれた五線譜のショパンが音符を書き込んでしまう
シーンも楽しいですね。
ショパンが実際にジョルジュ・サンドと共に訪れたマヨルカ島。気になって調べてみると
ドイツ人観光客の多いとても美しい所なんですね。いつか訪れてみたい。
テアトル梅田にて鑑賞