ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

借りぐらしのアリエッティ

aliettie

公式サイト

監督:米林宏昌
企画:宮崎駿
原作:メアリー・ノートン「床下の小人たち」
(2010年 日本)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものはすべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの小人たち。
そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。
だが、人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを求められる毎日を送っていた。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

風鈴の音からはじまり、急な夕立やその後のからっと晴れた様子が描かれ、
夏というか、夏休みの1ページを切り取ったような季節感のある作品でした。

ある種のノスタルジアを感じさせるこの映像には“古い屋敷”というのが絶対条件な気がします。
もし都会のアパートなんかが舞台やと、もっとリズム感のあるロマコメあるいはサスペンスな
ストーリー展開がしっくりくるかもしれないなぁ等と妄想したりして。

“古い屋敷”の門柱を車で通り過ぎたあたり、そこからお屋敷への道はまるで「千と千尋の神隠し」に
出てきたトンネルの手前の道みたい。そのまま車を置き去りにして歩き、不思議なモノと遭遇する
という設定も似てますね。

けれど、その後の展開は「千と千尋〜」みたいにドラマチックで残酷でものすごくドキドキさせられる、
という感じではありませんでした。さらさらと水のように流れて引っかかりのない、気持ちのいい
アニメーション映画という印象。

にしても、台所を無断で入れ替えるってどうよっ?! ちょっとこの強引なやり方と
ショウのキャラクターが、私の中で微妙に合致しないんですよね。
ひとつ気になったのはショウの言葉「君は僕の心臓の一部だよ」です。この意味するところは
今もちょっと考え中。ハルさんの行動の意図もよくわからなかったしなぁ。

主人公(アリエッティ)は魅力的やけど強く惹きつけるパワーは無い、というとこらへんが
子供向けのアニメーションではないなぁと感じさせられました。
“ポニョ”は決して可愛いくはなかったけど、子供達を巻き込むパワーに溢れてたような気がするので。

そして、相変わらず有名人が声を担当しているので、どうしても俳優さんの顔が浮かんでしまいます。
やっぱり、声ですぐわかる俳優さんは起用しないで欲しいなぁというのが私の気持ち。
例外として、樹木希林さんご本人とアニメのキャラクターがめちゃくちゃ被ってて、
ここまでくると気にならないなーと感じましたけど。
あと、私のお気に入りのキャラ“スピラー”の藤原竜也さんも(知らなかったせいか)、
全く違和感なかったですね。
※関係ないけど「トイ・ストーリー」の唐沢寿明さん(ウッディ)も、すんなり聞けてしまう。
 唐沢さんとわかってても、見ていると忘れて気にならないんですよね。この違いはなんやろー。

この映画の好きな所は、猫(ミーア?)のふてぶてしい感じでしょうか。
アリエッティがミーアの鼻を撫でるカットは、「トトロ」のネコバスを思い出させます。
ジブリ作品の猫は、可愛いだけじゃないから好きですね。

東京都現代美術館では10月3日まで『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』が開催されている様です。
大阪では、なかなかこういう展覧会はありませんねぇ、残念。
あのドールハウスや、小人たちの家は見ていて飽きない気がします。
特に、アリエッティの言う「ジャングルみたい」な彼女の部屋にはすごく惹かれるし。
heya
↑気持ちよく昼寝できそうな部屋やと思いませんか?

原作↓の方が面白そうな予感。こちらに興味津々です。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
(2000/09)
メアリー ノートン

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TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。