ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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25年目のロシュフォールの恋人たち

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
(2009/07/17)
カトリーヌ・ドヌーヴフランソワーズ・ドルレアック

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「幸せな記憶とは“幸せ”そのものだ」

テアトル梅田 20th Anniversary Movie Festival で4回だけ上映される「ロシュフォールの恋人たち」を
観に行ってきました。去年に引き続きこの作品を劇場で観られるなんて幸せっ!

以前、訪問者の方に「デジタルリマスター版(2枚組)にはこの映像が入ってるはず」と
コメントをいただいた「25年目のロシュフォールの恋人たち」。
早速DVDを購入したものの見ていなかったこの特典映像を、
こんないいタイミングは無いなぁと思い、初めて家で鑑賞しました。

ドゥミ夫人でもあるアニエス・ヴァルダによるこの作品には、
「ロシュフォールの恋人たち」のメイキング映像や、
この街で1992年に開催された25周年記念式典に訪れたミシェル・ルグランや
カトリーヌ・ドヌーブといった作品関係者のインタビュー等、
ドキュメンタリー映像がミックスされています。

アニエス・ヴァルダが映画撮影当時に撮っていたモノクロ映像に映し出されたドゥミの様子は
特に印象的でしたね。「アニエスの浜辺」(2008年)を見た時も思った事ですが、
ドゥミに対する愛情と尊敬の念がその眼差しから伝わってきます。
「カーディガンにゆっくりと袖を通す、彼独自の動き」なんて、こういうナレーションがいいなぁ。

また、ドヌーブとドルレアックの姉妹の仲むつまじい様子がキュートです。
特にフランソワーズ・ドルレアックは、劇中の衣装とは違い大人っぽくてお洒落な私服を
着ているせいか、美しさが光っていました。素敵やわぁ〜。
ドヌーブの氷を思わせるような美貌とはまた違った美しさですね。

すでに亡くなっているせいもあって、少しせつなさも感じますが
ドゥミの作品に対する熱意や映画の撮りかたを垣間見ることができたり、
ドルレアックのダンスは基礎ができてるからキレがあるのかぁ等、色々な発見もあります。

最初で最後の姉妹共演だったせいか、この1年後にドルレアックが事故で亡くなってしまったせいか、
または、若い頃を思い出した為なのかどうかはわかりませんが、再びロシュフォールを訪れた
カトリーヌ・ドヌーブが「悲しい気分にはなりたくないわ」とつぶやいた様子も印象的でした。

当時エキストラで出演していた人達のインタヴューも面白いし、
なんと(ナント)英語版の映像が少し見られたのも良かったですね〜。
そして、美術のベルナール・エヴァンと衣装の方の仕事が素晴らしい!という事も
改めて感じますねぇ。お祭りの準備から双子のアパートへと映るカメラワークも好きやなぁ。

というわけで話はつきないのですが、このドキュメンタリーを観た後で「ロシュフォールの恋人たち」を
あらためて見ると、より楽しいです。そして、この映画を観て感じた事と言えばやっぱり
「人生を謳歌しないと!」。

双子姉妹の歌、元気が出る〜