ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ボックス!

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公式サイト

監督:李闘士男
原作:百田尚樹
脚本:鈴木謙一

【ストーリー】
高校のアマチュアボクシング部所属の体育科の鏑矢(市原隼人)は、
ボクサーとして天性の素質を持っていた。
一方、彼とは幼なじみで進学科の秀才、木樽(高良健吾)は子どものころから
腕力にはまったく自信がなかった。
だが、木樽は自分も鏑矢のように強くなりたいと願い、ボクシング部に入部して
日々コツコツと努力を積み重ねていき…。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ほんまにベタやなぁ。

同監督の「デトロイト・メタル・シティ」は気になってたものの、見逃しました。
やっぱり気になる映画は早めに行っとかんと!

上映開始を待っていたら、隣のシアターからおびただしい数のおばさま達が出てこられました。
どうやら日韓共同ドラマプロジェクト「テレシネマ7」の上映が終わったところみたいで、
その賑やかしいこと! ムンムンとした熱気が伝わってきて、そこだけ湯気が立ってるみたい。
この人達のパワフルさに比べたら、私は草食系おばさんかもしれへんなぁ等とふと思ったりして。

で、肝心な映画の話。
いつもの事ですが、ネタバレ含みます。

ボックス! 上ボックス! 上
(2010/03/18)
百田 尚樹

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ボックス! 下ボックス! 下
(2010/03/18)
百田 尚樹

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百田尚樹さんという名前、なんか聞き覚えあるなぁと思っていたら、過去に
朝日放送『ラブアタック!』(この番組を知ってる世代は少ないと思いますが)の常連出演者でもあり、
『探偵!ナイトスクープ』の構成作家でもあった人なんですねー。なるほどぉ。
その百田さんの同名著書が原作。監督も大阪出身やし。そのせいか、もうベタベタのナニワ物語。

それだけに、やっぱり残念なのは大阪弁のイントネーション。まぁ、関西出身者以外ですんなり
しゃべりはる俳優さんはそうそういらっしゃらないんで、見る方も半ばあきらめてはいるんですが。
違和感がなくスムーズに感じたのは、谷村美月さんや宝生舞さん、山崎真実さん等、やはり
大阪出身の方達でした。共通語と違い、地方の言葉をモノにするって難しいんですね。

市原隼人さんは、めちゃいいせんいってるだけに非情にオシイっ!
時々語尾のおかしい文節があって、そこがネイティブには気持ち悪く感じてしまうところです。
筧利夫さんくらい違っちゃってると、もうどうでもいいんですけど(笑)

十三大橋や、ラブホテルの多い生玉さん(神社)界隈等、大阪在住の私にはおっと思うロケーションばかり。
また、カブの実家のお好み焼屋「ことみ」は空堀商店街(うちの家からも結構近い)にある
実際の店舗で撮影したらしい。でも、あんなパンチのおばちゃん、もう市内では見かけへんけどね。(笑)

さて、ボクシングです。ほとんどボクシングに興味のない私にも、練習の手順は
こういう段階を踏んで強くなっていくのねぇと、なかなか面白いものがありました。
試合のシーンも、素人目に説得力があるように感じられたし。
そうそう、ボクシングの試合見てると、体(肩)がどうしても動いてしまいますよね!?

天才肌のカブと努力家のキタル。
前半のカブを見ていて、かつて「浪速のロッキー」と呼ばれた赤井英和さんを思い出しました。
専属トレーナーだったエディ・タウンゼントさんが「赤井は練習嫌いで。。。。」と
ドキュメンタリーで言ってはったような記憶もあるし、不良時代から喧嘩でも負けを知らずに
おそらく自信満々やった赤井さんの姿がなんとなくカブリました。
天才で人一倍努力もする! それって想像以上に難しいことかもしれませんね。

玉造高校の稲村を演じた諏訪雅士さんは、A級ライセンスを持つ現役のプロボクサーという事ですが、
体つきがやっぱり違いますよねー、目つきも。男前やけど恐いお顔です。なかなか印象的でした。

↓マルブタとカブの関係が可愛い
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笑ってしまった可愛いセリフもありました。
「ブーブー」(丸野マネージャー)
「クソがきっ」(高津先生)

ボクシング部のみんな、脇役の人達もさりげなく味がありましたね。
新人戦のシーン、後ろの列で「なんか緊張すんなぁー」とつぶやく一言もなんか面白かったし。
さらさらと流れる水のような高良健吾さんのナチュラルな芝居も、とても好感が持てました。

マイナスポイントは、子供時代の描き方。もうちょっとサラッと表現して欲しかったですね。
私にはセリフも含め、ちょっと感傷的でくどいように感じられました。
子供時代のキタルを演じた子役の演技もヘタすぎて。。。。

あと、亀田なにがしの登場は全く必要ないし、なにか不純なものが混じってしまったような
不快感を感じたのは私だけなんかなぁー。せっかくいい作品なのに、残念です。

関係ないけど今日、劇場で「ローラーガールズ・ダイヤリー」の予告を見て、
ますます期待値が高くなってしまった! 初日に観に行きたいくらい、めちゃくちゃ楽しみ〜。

TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。

やっぱり主役の二人が良かったなぁー

ボックス! Visual Book (ぴあMOOK)ボックス! Visual Book (ぴあMOOK)
(2010/05/12)
不明

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追記:
オカン役の宝生舞さん、5月31日をもって芸能界を引退されるらしいです。残念です。