読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

倫敦から来た男

The Man from London

公式サイト:http://www.bitters.co.jp/london/

監督・脚本:タル・ベーラ
原作:ジョルジュ・シムノン
共同監督・編集:フラニツキー・アーグネシュ
共同脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
撮影:フレッド・ケレメン
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
プロデューサー:テーニ・ガーボル
録音:コヴァーチ・ジョルジ
美術:ライク・ラースロー
(2007年 ハンガリー/ドイツ/フランス)
原題:The Man from London

【ストーリー】
とある港町、毎晩ガラスの檻のような制御室から漆黒の港と駅を見下ろしている
鉄道員のマロワン(ミロスラヴ・クロボット)。ある夜、彼はロンドンから来た
ブラウン(デルジ・ヤーノシュ)が殺人を犯した現場を目撃してしまう。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

モノクロームの魅力。光と影が創りだす力強い映像。

客船を下から上へ、じっくりと緊張感をもってカメラがとらえる。
やがて、窓越しに船の様子をうかがっているのだと理解する。

主人公の目線で物をとらえているかのように錯覚させるカメラワーク、
そして、とにかく一つのシーン、例えばマロワンが娘の勤め先へと港を歩く場面等、
時間をかけて撮っているのが特徴的ですね。こんな長回し、見た事ないかも。
ラストシーンでは、女優の顔の上で時が止ったのかと一瞬思いましたよ。
長いがゆえに、余計に緊張感が生まれるというか、目が離せないんです。

海沿いの小屋にブラウンの様子を見に行くシーンでは、
何がおきるのか待ち受けるこちら側の気持ちをかわすかの様に、
聞こえてくるのは波の音だけ。この時間の長く感じること!

延々と続く陰鬱な緊張感に満ちた映像の中で、おしゃべりなカフェの主人、
そして繰り返される曲と不思議なダンスは、異質な存在でもあり
日常の中でも日のあたる部分というかユニークな部分でした。
どちらにしても、どこか奇妙な味わいには変わりないんですけどね。

物語としては、女性が常に弱い立場におかれた存在として描かれていたように感じて、
なんとなく落ち着かなかったんです。

第七藝術劇場にて鑑賞。