ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

マザー・テレサ映画祭 「20世紀に天使がいた。」

シネ・ヌーヴォさんの特集ページはこちら

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マザー・テレサ

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「平和は笑顔から始まる」

今週は見たい映画の本数が特に多かったのにもかかわらず、
土・日の2日共、この映画祭に行ってしまった。
マザーの姿を見ると、幸せな気分になるんですよね。

今回みたのは、この3本

マザー・テレサと生きる」
監督:千葉茂樹 (2009年 日本) 

「母なることの由来 −デジタル復刻版−」
製作・監督:アン・ペトリ、ジャネット・ペトリ (1986年 アメリカ)

「すばらしいことを神さまのために〜Something Beautiful For God〜」
製作・監督:ピーター・シェファー (1969年 イギリス)

マザー・テレサと生きる」は、マザーの精神を受け継いだ人々によって日本でどの様な活動が
続けられているのかをおったドキュメンタリーです。

実際にボランティアもしてない私が言うのもおこがましいのですが、気になったことがひとつだけ。
コルカタの施設「死を待つ人の家」でボランティアを行う日本人医学生に混じって働く山本さん。
寝ている人に対して、スプーン山盛りのライスを口に入れている様子にちょっとビックリしてしまいました。
あの体制で口いっぱいに入れられると苦しいんですよね。患者さん、かなり憤慨してたし。。。。
山谷でホスピス「きぼうのいえ」を主催している山本さんですが、実際に患者さんのお世話をされた事は
ないんやろなぁと思います。さすがに看護士の奥さんはされているようでしたが。
このホスピスは現場で働いてらっしゃる方たちが皆さん、とても親身になって患者さんと接してはりました。
その朗らかで一所懸命な姿はとても美しかっただけに、ご主人の姿にはちょっと違和感が。
とても立派なことをされているとは思うのですが、謙虚さが感じられなかったのが残念でした。

「きぼうのいえ」の入居者の中でも、俳句や詩を書くおじいさんがとても印象的で、彼とスタッフ、また
彼とボランティアでパストラルハーブを演奏する方との関係等、温かいものがこちらにもじんわりと
伝わります。パストラルハーブの音色はいいですねぇ。“天国の調べ”という言葉が脳裏をよぎりました。

また「神の愛の宣教者会」のブラザー達や、協力者の方達等、この映像に登場する多くの人達の、
生き生きと奉仕するその姿には感動せずにはいられません。


「母なることの由来」は、以前見た事があるのを思い出しました。
マザー・テレサの活動を5年間、10カ国に渡り追った記録。マザーの生い立ちから
ノーベル平和賞を授賞の様子等も紹介。

マザー・テレサーを愛さずにはいられないのは、その行いはもちろんのこと、彼女の持つ圧倒的な
明るさが大きな要因ではないでしょうか。何か楽しい雰囲気をかもし出す、まさに“光”のような
存在なんやろなぁと。
また、説教めいたところが感じられないんですよね。多くは語らず、行いで示してはるのが素晴らしい!
以前オリビア・ハッセーさんが演じたマザーも良かったんですが、ちょっと綺麗すぎたというか
もっと肝っ玉母さん的な感じなんですよね、私にとっての彼女の印象は。

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「すばらしいことを神さまのために」は、アメリカ人のマルコル・マゲッリッジが密着取材して、
コルカタのマザーの活動を記録したものです。おそらく一番古い作品なんでしょうか。

マザーがおずおずと語る(この頃はあまりマスコミ慣れしてない感じです)その言葉の
一つ一つに心打たれます。聖書の言葉なんかよりもずっとわかりやすいし。

マザー・テレサと、彼女と共に働くシスター達の献身は、信仰というものに裏打ちされているからこそ
成り立つともいえますよね、きっと。
信仰に関係のない、NPO法人等の活動や、ボランティア活動等も世の中には存在しますが、
そういうものとは何か根本的に違うものを「神の愛の宣教者会」の活動からは感じます。
たとえば、ゲットーやスラム街の子供にちゃんと教育を受けさせるシステムを作るとか、
ホームレスが仕事に就ける手助けをするとか、そういう根本的に社会を改善するという
合理的方法とは明らかに違うんです。どちらかというと「死を待つ人の家」における活動に
代表されるような、人間の尊厳という理念に基づいたものの様な気がします。
「愛」というのが大切なキーワードですね。

マザー・テレサとの出会いは学校で鑑賞した映画だったと思うんですが、
果たして、どの作品やったんかなぁ。やはり思い出せずにいる。脳がくさりかけてるぅ〜!

シネ・ヌーヴォにて鑑賞。

それにしても、アルモドバル&ペネロペの「抱擁のかけら」が今週末までだったとは!
しかも午前中の上映しかないし。。。。大失敗! こうなったら。。。。