キャデラック・レコード~音楽でアメリカを変えた人々の物語 デラックス・エディション (2009/07/22) サントラリトル・ウォルター 商品詳細を見る |
監督:ダーネル・マーティン
(2008年 アメリカ)
【ストーリー】
野心家の青年レナード(エイドリアン・ブロディ)は、物静かで思慮深い天才ギタリスト、マディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)と衝動的なハーモニカ奏者リトル・ウォルター(コロンバス・ショート)に出会う。発展しつつあったレコード・ビジネスのブームに乗ろうとしたレナードは、彼らのアルバム作りを始めることにする。
「白人たちはブルースを聴くが、ブルースの出所は知らない」
映画はBLUESと共にその幕をあける。なんてかっこいいんだろう!
痺れますね〜。
とは言っても、チェス・レコードはおろか、マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターなんて
全く知らず、その音楽を少しでも認識しているのはチャック・ベリーくらいのもの。
それでも、ストーンズ(は映画にも登場しますが)やジミヘン、スライ等のルーツは
ここにあるのかもと、胸がワクワクする映画だった。
特にマディ・ウォーターズのサウンドには魅せられる。
1950〜60年代のソウル系レコード・レーベルの中で馴染みがあるのは
やはりデトロイトのモータウンですが、エタ・ジャイムズの次の発言が興味深い。
「あ、あれ(モータウンの事)はアップタウンのものよ。私はダウンタウンよ。
アップタウンというのは、洗練されて都会的ってことね。」
(パンフレットより抜粋しました)
まさに、そうなんですよね。ダウンタウンの一種泥臭さが残ってるようなサウンド。
今回、その原種的なカッコよさにやられました〜。
ここからちょっと話が脱線するんですけど、エタ・ジャイムズが交際していた
ハーヴィー・フークワが、モータウンの社長ベリー・ゴーディーの姉と結婚するために、
彼女をふってしまったというエピソードを読んで、ゴーディ家恐るべし!と思ってしまった。
というのも、ジャクソン兄弟が分裂したのもジャーメインがゴーディの娘と結婚したことが
原因の一つと考えられるし、あのマーヴィン・ゲイもゴーディの姉と結婚したがために、
一時モータウンに縛られる時代があったようだから。
どちらにしても、この時代のアフロ・アメリカンはビジネスと言いながら
ファミリー的な付き合いを前面に押し出してたみたいですね。
12日に発売されたこの本を読んで、ジャクソン5とモータウン・レコードの当時の
契約内容にすごく理不尽なものを感じたんですけど。
新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書 (2009/09/10) 西寺 郷太 商品詳細を見る |
西寺さんのこの本、日頃から彼のブログを熟読しポッドキャストを欠かさず聴く私でも
知らなかった新しい事実もあり、面白かったです。
特に最後のマーロンのスピーチの話は、何度読んでも泣ける。
話を映画に戻します。
残念な事に、映画的にはどうかと言えば正直、ちょっと物足りなかったな。
レナード・チェスとエタ・ジャイムズのシーンもなんとなく心に迫ってこなかった。
ビヨンセ! 歌がうまい、文句なく上手いんですけど、なんだろー。。。
きっと私の琴線に触れないタイプの声だという事だと思います。
それとも、オセロの中島知子に似てると思ってしまった時点で
集中できなかった事が原因か。( ̄▽ ̄;A
デスティニーズ・チャイルドの時は全くそんな事思わなかったし、
『ドリームガールズ』の時はすごく魅せられたのにー。
シュープリームスのダイアナ・ロス役の方がピッタリしてた気がする。
泥臭さとビヨンセが合致してない様に感じたのかなぁ。
あっ、でもビヨンセは好きですよ。
とかいろいろ言ってても、めったに買わないパンフレットを
今回は購入いたしました。内容がいいんですもん。
映画で使われている楽曲のオリジナルとその収録アルバムも紹介されていて
楽しいなぁ。
梅田ガーデンシネマにて鑑賞