ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ディア・ドクター

きのうの神さまきのうの神さま
(2009/04)
西川 美和

商品詳細を見る

↑原案小説

監督・脚本・原作 : 西川美和
(2009年 日本)

山あいの小さな村。その村で慕われていた医師が、突然謎の失踪を遂げた。
やがて、事件は思わぬ方向へ。。。。
(チラシより転記させていただきました)

暗闇にゆらめく白衣。ひらひらと風に踊って、まるで幽霊のよう。

金曜日(平日)の朝の回に行ってビックリ!なんと立ち見ですよん。
先週の土曜日からの上映やし、なんでこんなに込んでるの????
何故か、年配のおば(あ)さま達が多かった。そして、予想どおり
エンドロールで立ち上がる率も高く。釣瓶さんファンでしょうか?

行方不明になった医者を捜索する刑事二人の顔を見て、
三木聡監督作品みたいっ、と一瞬嬉しくなる。
西川監督の前作品「ゆれる」がかなり重かったので、
なんだかとぼけた雰囲気のお二人にホッとさせられたなぁ。

といい予感で始まったこの作品、結構可笑しくって楽しい展開でした。
緊急の往診先で、蘇生措置しようとした時の家族の無言の圧力が
リアルで面白いですね。その後の展開も読めてしまってたけど笑えたし。

かづ子の娘(医者)とのシーンなどは、伊野の不安やいら立ち等の
表し方がうまいなぁと思わせる。
小道具やしぐさ等から、登場人物の感情を観ている側に伝える演出が
やっぱり光ってる。

映画の内容とは関係ないけど、研修医・相馬が住んでいた部屋は、
何とも気持ちの良さそうな所でした。角部屋で風がよく通りそうな。
舞台となる村も、緑のきれいな田園風景にふわっとした心地良さを感じる。

伊野とその父親の関係性を想像させる様な部分もあり、
ラスト近く父親に告白するシーンはなんだかしんみりと感慨深いものがあった。

看護師の朱美は、彼の事を理解しながらも受け入れていたのかなぁ。
それは、香川照之さん演じる製薬会社の営業マンがラスト近く
刑事に語った事が近いのかもしれない。
余貴美子さんといい、いい俳優さんが脇を固めているのはもちろん、
監督の狙いどおり主役・伊野のキャスティングも成功の一因だと思う。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。