ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ミルク

監督:ガス・ヴァン・サント
(2008年 アメリカ)

【ストーリー】
1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルク(ショーン・ペン)は、
20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。
二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。
そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、
ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成することになる。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

「希望だけでは生きていけない。でも、希望がなければ人生は生きる価値がない。」
「愛」と「自分なりの信念」をもって生きていきたい。そんな気持ちにされられた映画。

前作パラノイドパークとは、全く違う世界。
マイノリティ差別撤廃の闘いをまっすぐに描いた社会派ドラマ。

始まりは、同性愛者というだけで人々が逮捕されるという衝撃的な当時の映像から始まる。
なぜ? どうして?
アカデミー授賞式でのショーン・ペンのスピーチと脚本家のダスティン・ランス・ブラック
言葉を思い出し、目頭があつくなった。

もちろんトランスジェンダーだけの問題じゃなく、キング牧師の歴史的演説は何度聞いても
涙が出て仕方がないし、シャーリーズ・セロンが鉱山労働者の男社会の中で戦う映画
「スタンドアップ」(先日もNHKBSで放送してました)には号泣してしまう。
そして、そんな少数派の人達の闘いにはいつも勇気をもらうのだ。

と、映画の最初からかなりテンション上がり気味だったんですがこのミルクって方、
かなりの恋愛ハンターと見た。( ̄▽ ̄;A
駅で可愛い男の子をナンパしちゃうなんて、やるねーオヤジ。
写真でしか伺い知れないんですが、ハーヴェイ・ミルクという人の何か柔らかい
人当たりのよさそうな雰囲気をショーン・ペンは上手く出してましたね。
私事ですがずっと女子校だったせいか、がさつな男の人は苦手。
ゲイの人によく見られる柔らかい中性的な物腰には安心感を覚えます。

そうそう、ジェームズ・フランコは若い頃のイーサン・ホークみたいで、とてもキュート。
ちょっと胸キュン!でした。ヾ(〃▽〃)ノ
ペン監督作品「イントゥ・ザ・ワイルド」のエミール・ハーシュも好演。
なんかいい味出してたなぁ。

時代は進んだといえども、同性婚の問題はいまだにほとんどの国で認められていません。
また、トランスジェンダーと一言でいってもいろんなケースがあると思われます。
性別を断定する事が医学的にできない状態で誕生した人達もいらっしゃる訳で、
性別自体を否定する考え方も不思議ではない。
社会的な利便性により性別というもので区別されている私達ですが、それって
本当に必要なんだろうかと議論される機会がもっとあってもいいと思うやけどなぁ。

心斎橋シネマートにて鑑賞。

ドキュメンタリー「ハーヴェイ・ミルク」(1984年)の上映が
同じく心斎橋シネマートでこの2日間限りあったのですが、
残念ながら行けませんでした。
16日からシネ・ヌーヴォで上映されるので、待ち遠しいけど楽しみにしたい!

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(2009/06/26)
不明

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