ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ダイアナの選択

春に葬られた光 (ヴィレッジブックス)春に葬られた光 (ヴィレッジブックス)
(2009/02/20)
ローラ ・カジシュキー

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↑原作らしいです。

監督:ヴァディム・パールマン
(2008年 アメリカ)
原題:THE LIFE BEFORE HER EYES

【ストーリー】
高校生のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は登校後、
いつものように親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)とトイレでおしゃべりに興じていた。
そんなとき、突如銃声と叫び声が聞こえ、しばらくすると銃を手にしたクラスメートが
乱入して来る。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

不思議な感覚におそわれる映画。観ている最中から夢の様な。。。。

人間の手によって整えられた美しい花達、その中でたたずむユマ・サーマン
この画像だけで、行けたら行こう!と思ってた映画なんですけど。
思った以上に映像の美しさにうっとりさせられました。
カメラのとらえ方というか対象物の切り取り方というか、
詩的なものを感じさせる映像です。森のシーンも美しかったなぁ。
意外にも一番頭に残っているのは、鳥に関する残酷で比喩的な映像なんですけが。。。

個人的な事ですが、4月からバレエのレッスンを始め、着付けの練習も佳境に入り
何かと忙しいこの時期、時間を割いて行く映画で失敗したくない!というのが
正直なところです。
今週は「いとしい人」とこの作品と迷ったんですけど、結果良かった!(=^_^=)

でも、けっこうモヤッときましたよー。
というのも映画の最後、真っ暗な画面になった後「監督の解釈は。。。。
キーワードは。。。。」みたいなメッセージが出るんです。
あわてものの私はその直前に立ち上がっていたので、キーワードが
はっきり読めませんでした。(幸いな事に知る機会を得ましたが)
これ、気になるタイプの人は見逃さないで下さい。( ̄▽ ̄;A
注意事項はそれ位です、ハイ。

でも、これってどうなんかなぁ?!
HPで見られる監督のメッセージは別に見ても見なくてもどっちでもいい程度の
ものですが、こうゆうやり方はあんまり好きじゃない。
基本、映画である以上そういう展開はいらないと思います。
そう言いながら、あったらあったで気になって仕方ないですしねー。
これに関してはいろんな意見がある様な気がします。

この映画で注目したのはユマ・サーマンよりもむしろ、
エヴァン・レイチェル・ウッドです。
アクロス・ザ・ユニバースでは、若くて可愛くていい子やなぁー(?)的存在だった
彼女が、屈折したダイアナそのものにしか見えないのが、やっぱり女優!ですね。
見た目は特にこれといった特徴がなさそうに思える女優さんですが、
何か光るモノを感じさせます。
若さゆえの残酷さとか、色んなことがエスカレートするさまとか、
なんだか彼女達のその時間を追体験している気にさせてくれるところが
不思議でもあり、素晴らしくもありました。

私の友人に白黒ハッキリしたアメリカ的映画が好きな人がいるんですが、
もちろん、そうゆう方にはこの映画は勧められません。
鑑賞後にあれこれ考えるのが好きな人、同じ映画を反すうして楽しむのが
好きな人にはピッタリかも。
最近ちょっと反哲学的考えに共感しているなんて場合には、考える事はやめて
その夢と現実が交差している様な映像の世界に身をまかせるのも
気持ちのいい見方かもしれません。

梅田シネ・リーブルにて鑑賞。