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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ミツバチのささやき

映画 ま行

ミツバチのささやき [DVD]ミツバチのささやき [DVD]
(2000/06/30)
アナ・トレントイザベル・テレリア

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監督・原案:ビクトル・エリセ
音楽:ルイス・デ・パブロ
(1973年 スペイン)

【物語のはじまり】
1940年代スペイン、カスティーリャ地方の小さな村。
公民館で「フランケンシュタイン」を観た少女アナは、
姉イサベルの言葉を信じて、フランケンシュタインを探しはじめる。

土曜日の朝、「今日からビクトルエリセやってるやん!」とギリギリに
あわてて家を飛び出したものの、あれあれ?!着いてみると整理券17番。
なぜか空いてる〜。チラシをよく見ると4月17日までやってるですねぇ。
今週のみの上映と思いこんでました(イジー・メルツェル監督プチ特集みたいに)。
というわけで、余裕の日程で皆さんもご覧になれるでしょう。←余計なお世話( ̄▽ ̄;A
ちなみにニュープリント上映という事で、最近よくある「デジタルリマスター版」では
ありません。

タイトルクレジットで出てくる、アナが描いたのかと想像させる絵は
スペインらしい色彩がとても可愛い。
そして、ルイス・デ・パブロの音楽が素晴らしいですねー。
神秘的で懐かしく、安らぎすら感じさせる、こんな音楽あんまりない。
「昔むかしあるところで…」こんな出だしだったんですね。
あー、ワクワクするっ。
で、映画の中に出てくる子供達も巡回で来た映画に思いっきり
ワクワクしています。映画に見入っている子供達の顔にみとれる私。(=^_^=)

養蜂家がちょっとさびれた感のある屋敷に帰ってくる。
ポインターが帰って来た主人にまとわりつく。リアルですねー。
本当に犬の主人みたいな追いかけ方。最後にはくつろぐ主人の側に陣取って
伏せるんですが、そこまでの一連の流れがめちゃ自然です。
こういう事のひとつひとつが嬉しいねんなぁ。

いかにも知的階級の人物だと感じさせるアナの父親ですが、
ミツバチに関する論文(?)を朗読するシーン、
ガラス箱の中で飼うミツバチたちの映像が何度か出てきます。
そんな父親のシルエットが、まるでミツバチの巣の模様の様な
窓の格子ごしに見える映像も印象的。
彼は内戦の影響でこんな田舎の村にこもっているのでしょうか?
また、内戦で離ればなれになってしまった相手に
手紙を書き続けるアナの母親も影が薄い。
どういう事情かはわからないけれど、根底に暗い空気が流れる
家庭なんです。少なくても今の両親は幸せではなさそう。
あっ、キノコ狩りのシーンは唯一ホッとしたなぁ。

アナは井戸のある家で大きなショックを受けた様に思われます。
それでもその後の不思議な体験が、彼女を最後のシーンへと導きます。
傷付いただけじゃない、アナの成長に胸をなでおろした瞬間でした。

折り紙でつくったオットセイ(?)や指で影絵遊びをするシーン等、
監督の感性が感じられる映画ですね。昔むかし(!)映画館で観た時の印象といえば
アナの大きな瞳とファンタジックな映像でしたが、今回は他のディティールも
ゆっくりと味わう事ができました。

先週から偶然にも「ミツバチ」つながりの映画となりました。
来週は「エル・スール」だよん。これも二十数年ぶり!

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。