ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ホルテンさんのはじめての冒険

監督: ベント・ハーメル
(2007年 ノルウェー)
原題:O' HORTEN

【ストーリー】
ノルウェーの首都オスロと第2の都市ベルゲンを結ぶ“ベルゲン急行”の運転士
オッド・ホルテン(ボード・オーヴェ)。
勤続40年、67歳の彼は、とうとう定年退職の日を迎えることに。
仲間たちにその功績をたたえられ、恥ずかしながらも祝いの席に招かれた彼は、
人生最後の運転をするはずだった翌朝、あろうことか人生初の遅刻をしてしまう。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ベント・ハーメル監督のいい意味でのマイペースさというか、
あぁ楽しんで映画をつくってはるなぁという感じがして嬉しかった。

北欧といえば、テキスタイルや家具等そのデザイン性の高さに人気がありますが、
最初に登場した列車の車両(真っ赤な)が素敵!
ホルテンさんがいつもお弁当を入れて職場に持って行くバッグも可愛いし。

ホルテンさんが運転席につくとすぐ、スクリーンは真っ暗に。
なんかトンネルの中みたいやなぁーと思っていたら、ほんまにトンネルでした。(^-^;A
そして『トンネルを抜けるとそこは雪国だった』です! なんとも美しい白銀の世界。

ホルテンが定宿にしているペンション(?)は坂の上にあって、そこから街を見下ろす
風景はまるで別世界。

ホルテンさんの人との接し方も一歩ひいた感じでありながら冷たさは感じさせないもので、
ペンションの女主人やタバコ屋の奥さん、はては道路に寝転がっているおじさんも
彼の朴訥(ぼくとつ)とした雰囲気に吸い寄せられるよう。(=^_^=)
パイプを使ってタバコをゆっくり味わう、そんな時間の流れ方。

おかしくて不思議な世界で、せつなさをくるんでいる様なこの作品。
「母とすべての女性ジャンパーに捧げる」この言葉に、不覚にも涙が滲んだ。

ところで、最初に出て来た真っ赤な車両、あれを見てディック・ブルーナを思い出しました。
「オランダ」は北欧ではないけれど、潔い色彩感覚に共通するものを感じたんでしょうか。
この本は家の目につきやすい所に置いて、時々ながめています。
ディック・ブルーナのデザイン
ディック・ブルーナのデザイン (とんぼの本)

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。