ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

チェンジリング

監督:クリント・イーストウッド
(2008年 アメリカ)

【ストーリー】
1928年、シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、
ロサンゼルス郊外で9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と暮らしていた。
ある土曜日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へと向かう。
暗くなって彼女が帰宅すると、家で一人で留守番をしているはずの息子の姿は
どこにもなかった。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

今週はまたまた会社都合のお休みで、派遣社員はツライです〜(>_<)
とはいえ、見たかった映画を見られるのは嬉しくて、じっくり見たかったこの作品も、
やぁー良かったです。
この映画は見た人もめちゃくちゃ多いと思われるのでブログに記す事もないかもしれんなぁ
と感じつつ、ちょっと違う視点で私の気に入った所なんかをメモっておきたいと思います。

アメリカが経済的超大国としてのし上がっていた1920年代は、ジャズ・エイジと言われ、
禁酒法の施行に伴いアル・カポネ等ギャングが横行した狂乱の時代とも言えます。
映画では「華麗なるギャツビー」「コットンクラブ」等 の時代です。そんな時代やったら、
こんな真実の物語も不思議ではない様な気がします。

またアールデコ全盛期でもあり、女性のファッションが大きく変わった
(それまでのコルセットから解放され)時代。
(余談ですがフランスで 「ヴォーグ」 が創刊されたのも1920年代です。)
映画の中でもアンジーの衣装がとても素敵。毛皮の縁取りや手袋そしていつもクロッシェを
被っていて顔があまり見えないせいか、エレガントかつ奥ゆかしい感じがします。
ローウエストで切り替えのトロンとした生地のプリントワンピースも可愛い。
時代を感じさせる髪型もいいですね。

当時はラジオ文化なんですね。劇中でラジオから流れてくるアカデミー賞の発表を
心待ちにしているシーンで「或る夜の出来事 」(クラーク・ゲーブル! )や
クレオパトラ」(主人公がこき下ろしてたのが笑えた)そして、
「明日、チャップリンの映画を観にいきましょう」なんていうセリフもあり、
当時の風俗が伺いしれるという意味ではすごく楽しかった。
ローラースケートで職場内を滑るなんてユニーク!やしね。

そして、住宅街の風景がとにかく美しくてノスタルジィを感じさせる。
家の前のポーチや、風にゆれる街路樹。
木漏れ日のさす暖かな日曜日にあんなポーチで読書してみたい気持ちになりました。

そんな一見平和に見える環境の中での出来事は余計に恐ろしく思えます。
そういえば映画の中では普段、家の鍵をかけていなかった様に思えたんですが、
あの時代でも大都市郊外の住宅街はそれほど治安が悪くなかったんでしょうか?!

腐りきったロス市警がとった行動に恐ろしさと怒りで体が震える思いですが、
そんな中、ブリーグレブ牧師、弁護士のS.S.ハーン等正義の為に戦う素晴らしい人達の存在には
感動します。彼等にとって、クリスティン・コリンズという粘り強く戦う女性の存在は
大きかったんでしょうね。エキセントリックじゃないJ.マルコヴィッチもよかったわー。

ブリーグレブ牧師の様な人をみるとき、確固たる宗教というものが根っこにあるから
正しい行動を取ろうとする(神が見ている)強さがあるのかしらん?と信仰の無い私は
感じてしまいます。
たとえ信仰がなくても、おてんとうさんに申し訳がたたないなんて感じの思いは
なんとなく持っているんですけどね。

梅田TOHOにて鑑賞。 

そしてアメリカの腐敗した組織といえば、過去にもケネディ(兄弟)暗殺事件の陰謀等、
色々と悪い噂のあるアメリカ中央情報局(CIA)。
CIAは失敗に次ぐ失敗を重ねていたという事がわかるこの本に、今注目!です。
とは言っても、私自身はまだ本屋さんでちょっと立ち読みしただけで
「週刊ブックレビュー」の受け売りです、すんません。( ̄▽ ̄;A

CIA秘録上CIA秘録上
(2008/11/12)
ティム・ワイナー

商品詳細を見る

商品紹介の部分より転記すると、
1) 5万点の機密解除文書。10人の元長官を含む300人以上のインタビュー
すべて実名証言で書かれた「CIAの本当の歴史」
2) CIAの秘密工作がいかに失敗を重ね、アメリカの国益を損ない、
それをいかに隠蔽したかを暴露。
3) 全米で30万部のベストセラー、全米図書賞を受賞した
本書(原題『Legacy of Ashes』に CIAは公式ホームページで必死の反論を掲載する事態に。
4) 日本版のために著者は2章分を書き下ろし。 「CIAによる自民党に対する秘密献金」「日米自動車交渉での経済諜報」などが明らかに。
5) 嘘をつくことで成り立つ「大義」のもと壊れていく秘密工作本部長の心。
猟銃で頭を打ち抜き、病院の窓から飛び下りる幹部たちの「心の闇」を描くにいたって
本書は黙示禄的な凄味を帯びる。

はぁー、気になりますなぁ。しかし、分厚い本は我が家に置き場所が無いのよん。
やっぱり本屋さんに行って続きをよむぞっ!(←早く文庫にして欲しい(^-^;A)