ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

厳重に監視された列車

監督:イジー・メンツェル
(1966年 チェコスロヴァキア

【ストーリー】
第二次大戦中、ナチス・ドイツ占領下のチェコ。
童貞の青年ミロシュは村の駅に勤務し、愛くるしい車掌のマーシャとやがて
愛をかわす日を待っている。
駅には鳩がだいすきな駅長マックス、女しか興味がない先輩の主任フビチカ、
電信技士の少女ズデチカ。
日々通過する列車はナチス独軍の兵士をはこぶ軍用車がほとんどだ。
フランス映画社の資料より転記させていただきました)

梅田ガーデンシネマのイジー・メンツェル監督作品 プチ特集の第二弾。
同監督の長編デビュー作で、「英国給仕人に乾杯!」「つながれたヒバリ」と同様、
ボフミル・フラバルの小説が原作となっている。
ちなみにフラバルの唯一の日本語訳著書「あまりにも騒がしい孤独」 が
売店で販売されてました。↓うー、Amazonで買おうかどうしようか考え中。

あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2) (東欧の想像力)あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2) (東欧の想像力)
(2007/12/14)
ボフミル・フラバル

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この映画の中でも、メンツェル的ユーモアは健在。
「英国給仕人に乾杯!」でも効果的に使われていましたが、
列車のシーン(キスシーン)がほほえましい。
この時代のチャコ(スロバキア)で作られていて、
女性のエロティックな部分を見せるシーンが盛り込まれているのも印象的。
メンツェル自身も医師役で出演してるんですが、
なんだか知的でスマートな印象の人でした。

映画はドイツ占領下のチェコが舞台なので、反ナチス的展開の話になるわけですが、
実際のメンツェルは資料にもあった通り、こののちソ連の弾圧によって
「厳重な支配下」におかれるという、なんとも皮肉な現実ですね。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。