ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

英国王給仕人に乾杯!

英国王給仕人に乾杯! オリジナル・サウンドトラック英国王給仕人に乾杯! オリジナル・サウンドトラック
(2008/12/17)
サントラトニー・スコット

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監督・脚本:イジー・メンツェル
(2006年 チェコ/スロヴァキア)

【物語のはじまり】
主人公ヤンは小さな男。姓はジーチェで〈子供〉という意味。
ヤンはプラハに近い田舎町のホテルのパブで給仕人見習いから出発して、
ユダヤ系の行商人ヴァンデル氏の引き立てで、富豪たちの別荘〈チホタ荘〉ではたらき、
やがてプラハ最高の〈ホテル・パリ〉で、給仕とは何かを神技のように示す給仕長に
出逢う。給仕長は“私は英国王に給仕した”とヤンに宣言してヤンを失神させる。
(チラシより転記させていただきました)

色とりどりのドレス、花、料理、そして洗練されたサービス!

メンツェル監督作品の原作でもある「厳重に監視された列車」「つながれたヒバリ」の
作者でもあるボフミル・フラバル(1914-1997)の欧米でのベストセラー
「私は英国王に給仕した」。
チェコの国民的人気作家という彼の本をぜひ私も読んでみたくなりました。

ウキウキするオープニングです。古典的だけど、こういうの好き。
最初から、笑いをちりばめたエピソードが続々。
ただし、コインをばらまくエピソードはちょっとクドかったな。(笑)

それにしても、どんなけスラヴ美女が出てくる!という位出てきます。
「天使の館」ですか。。。いいネーミングです。
彼女たちの体を飾る、ひなぎく、果実、紙幣。。。
あんなフラワープリントのドレス、若い頃に着とけばよかったねぇ、
などと自分を顧みずに思ってしまいました。
美女のシーンが少々長かったのは、監督の趣味?!

チャコがチェコスロバキアだった頃、ヤンのどんでん返しな人生を通して、
複雑なチェコの政治情勢が垣間見えます。民族にとっては苦難の時代ですよね。
今の時代だから映画にできた思われるこわい話を、メンツェル監督は
大らかなタッチでユーモアたっぷりに描いています(結構ブラック)。
列車を追いかけるシーンが最初と最後の方、2回出てくるんですが
後の方は切ない。。。。

その風景は「スイート・スイート・ビレッジ」と同様、
牧歌的な美しさで一杯です。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。