ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

オリンダのリストランテ

監督:パウラ・エルナンデス
(2001年 アルゼンチン)
原題:HERENCIA

【ストーリー】
ブエノスアイレスにあるオリンダ(リタ・コルテス)が店を構えるレストランは、
いつも常連客でにぎわっていた。
ある日、オリンダがかんしゃくを起こして投げた皿が運悪く
ドイツ人青年ペーター(アドリアン・ウィツキー)に当たってしまう。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

「オランダのリストランテ」だと思い込んでました。そして、チケットを買うときも
元気いっぱい「オランダ… 1枚お願いします。」と言ってました。
そしらぬふりをしてくれた窓口の人、ありがとう。
きっと他にもそんな人が結構いるんだと思いたい。( ̄▽ ̄;A

ここに出てくる料理は、ショートパスタにトマトソースがかかったもの等のイタリア料理。
いわゆる大衆食堂、家庭料理でしょうか。炭水化物好きの私にはたまりましぇーん。
アルゼンチンはイタリア系移民の人がかなり多いらしいですね。

オリンダは自分の全てだったリストランテを手放そうとしています。
最初のうちは霞にかかった様に彼女の気持ちがよくわかりませんでした。
けれども、ペーターやフェデリコとの会話から彼女がこの国に来た経緯や、
その後の長い年月の彼女の人生がなんとなく想像でき、
かつての情熱を失い迷っている姿がだんだん見えてくるんです。

そんな彼女がドイツからはるばる女性を探しに来たペーターと出会う訳ですが、
このペーター、なんだか礼儀正しい様で厚かましい、
気がきくようでかなり鈍感なヤツ。(セニョリータひとりの部屋に
午前様までいるっていうのはどうよ?!)
まっ、基本いいヤツなら細かい事はいいんやけど。
そして、オリンダは彼の後押しで一歩を踏み出せたんですよね。

今の自分が何か違っている様な気がする時は正直、あります。
焦燥感を感じてしまう。そんな時に、何か違う視点から自分を見つめ直す事が
できたら。そして、人との出会いがそのきっかけになるなんて素晴らししいなぁ。
意識していないだけで、日常そういう事は割合あるんじゃないかなぁなどと、
思います。改めて、周りの人たちに感謝ですね。

昨日「PARIS」を観た時も感じた、自分の住む街について改めて
見直してみたいなぁという気持ちがフツフツと湧いて来た。
大切な人がいる街はそれだけで一番重要な場所なんですけどね。

オリンダは自分の足元にある幸せを再発見できたのかな。

シネ・ヌーヴォにて鑑賞。