ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

空想の森

監督:田代陽子
(2008年 日本)

【物語のはじまり】
1996年、田代陽子は北海道新得町で開催された、第1回「SHINTOKU 空想の森映画祭」で
初めてドキュメンタリー映画と出会う。彼女はそこで農業に従事する人々と出会い、
カメラを回し始める。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

日曜日午前中に観に行くと、思いがけず上映前、田代陽子さんのご挨拶があり
うれしい思いをしました。

基本的には、いいドキュメンタリーですね。
ただ、個人的にあのナレーションは要りませんでした。
素人っぽさが裏目にでてしまっている様な気がして。
全てト書き扱いの方が良かったと思います。
少し説明しずぎかな、と感じる所もあったり。

出てくる人達は魅力的です。
“新得共働学舎”の山田聡美さんや、宮下喜夫さん・文代さん夫婦。
一所懸命いきている人は美しいです。
特に畑の上での山田さん親子の様子が、なにか美しいものにふれた様な
心あらわれる風景でした。
一瞬ここは何処の国でいつの時代だろうと思わせる様な
牧歌的な雰囲気を醸し出していて、なんだかふんわりとした気持にさせられました。

あと、最後の5分位のシーン(新得バンドが軽トラで移動する)等、
ムダでは?と思わせる部分もチラホラあったのが気になりました。
そのせいか、2時間9分という時間は少し長く感じましたね。

バンドというのは演奏している人達が楽しく、聴いている人達も
楽しいというのが理想だと思いますが、たとえ彼等の楽しさが伝わってきても
私自身が聴きたいと思うレベルの音楽とは思えなかったせいでしょうか。
と、ちょっと辛口な事を言ってしまいましたが、それもこれも
この監督さんの基本的な所は好きだと思えるからなんです。
個人的には応援していきたいなと思います。

就農に興味のある人にも、もちろん興味深い作品だと思います。