ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

東南角部屋二階の女

監督:池田千尋
(2008年 日本)

【ストーリー】
野上(西島秀俊)は会社を辞め、亡き父の借金を祖父(高橋昌也)の土地を売った金で
支払うつもりでいた。その土地には、居酒屋のおかみである藤子(香川京子)が
経営する古アパートが建っていた。そのアパートに引き寄せられるように、
野上を追い突発的に会社を辞めた三崎(加瀬亮)と野上の見合い相手・涼子(竹花梓)も
やってきて……。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

なんだかちょっと可笑しな若者3人。野上なんか、シリアスな問題を抱えてるにも
かかわらず。。。。もうちょっと計算しながら行動するんちゃう?と思う位、
無防備なんですよね、3人ともに。
涼子ちゃん、ほぼ初対面の男二人の前で泥酔はいかんやろー、とかツッコミ入れたく
なります。不器用というより不用心です。
三崎くんも独りよがりな正義感振り回して、あれっとか思ったりもしましたが、
人懐っこくてイイヤツなんで許しちゃいます。
野上も妙にイイ人で、思いきって片付けてしまいたいと思いながらも
あれこれ悩んでしまって自分で決められないんですよね。
畳屋さん風に言うと、それも人間らしくていいって事になるんでしょう。

そんな矛盾してるというか、割り切れるもんじゃないんよっていう
人らしいモヤモヤ感がしぜ〜んと伝わってきます。
荒ーい映像が古い映画みたいなんですけど、出てくる人達も古いっていう言葉が
テキトーかどうかわかりませんが、そんな感じです(どんな感じやっ!)
要するに、どこかスローモーで善良なんです。今はそうじゃないんかって
言われると、反論もできませんが。

住宅街の道、生け垣の間から見えるアパート、日当たりがよくてとても暖かそう。
東南角部屋で無くてもいいから住んでみたい様な気にさせる。
あっ、でも母屋の方がいいかなぁ。縁側が素敵だから。
小春日和の日にあそこでまったりしたいねぇ。一人でのんびりするのもいいし、
気のおけない仲間と過ごすのも良さそう。
あの暖かそうな日ざしのあふれる空間に思いを馳せる … そんな映画です。

高橋昌也さん、久しぶりに拝見しました。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。