ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

敵こそ、我が友  〜戦犯クラウス・バルビーの3つの人生〜

監督:ケヴィン・マクドナルド
(2007年 フランス)

元ナチスの男は、なぜ裁かれることなく長年自由の身でいられたのか。
その謎から戦後史の裏側を暴く衝撃のドキュメンタリー!
(チラシから転記させていただきました。)

ある程度予測がついた内容だったので、個人的には「衝撃」という程の内容ではありませんでした。
しかしながら改めて、自分達の利益のみの為に事の重大性を無視する人達が
国の上層部で実験を握っているという事の恐ろしさを認識。
今、再び冷戦の時代へ突入か?と言われているだけにタイムリーな映画です。

アメリカが自国の利益の為に戦犯と取引するというのは、
旧日本軍の731部隊(中国・モンゴル等で人体実験をしていたと言われている)の例を
見る様に、当然の事としてとらえられていたんでしょうね、残念ながら現在もおそらく。

731部隊の幹部は、薬害エイズを引き起こした「ミドリ十字」を設立している事からしても、
その後の社会に多大な悪影響を与えていると思われ、世界を巻き込んだこれらの行いには
非常に憤りを感じます。

映画としてはもう少し深い所(そこにいたるまでの人間の深層心理とか)も知りたい所ですが、
あくまでも淡々としたドキュメンタリーです。

全く予備知識が無い人達にこそ、ぜひ見て欲しい! そう思える作品である事には
間違いありません。

映像的にちょっとショッキングだったのは、チェ・ゲバラの死体でした。。。。

テアトル梅田にて観賞。