ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

歩いても 歩いても

映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック
(2008/06/11)
ゴンチチ

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監督:是枝裕和
(2007年 日本)

【物語のはじまり】
夏のある日、横山良多(阿部寛)は妻のゆかり(夏川結衣)と息子のあつし(田中祥平)と
ともに実家に帰省した。この日は、15年前に他界した兄の命日。
しかし、失業していることを口に出せない良多にとって、両親(原田芳雄樹木希林)との
再会は苦痛でしかなかった。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

上手い役者を集め上手い演出で魅せる。

今週は土曜出勤だったので日曜日に映画館へと足を運びましたが、人気あるんですね!
この作品。アチチッの天候の中、たくさんの人達が観に来ていらっしゃいました。
(“梅ガデ”は駅から遠いのが、この季節には正直ツライ。( ̄▽ ̄;A )

樹木希林という人は、こういう主だった役(「東京タワー」とか)を演じている時なんかよりも、
傍役の時の存在感がすごく好きなんですよ。っていうのも、やっぱり何かしらアクとか
個性とかが強く出てしまっている役者さんだからかなとか思ったりします。
それでも長女との漫才の様な掛け合いも面白かったし(ちょっとクドい所もありましたが)、
後半、人間の恐さみたいな所を感じさせられゾクッとします。
この母は、ある意味すごく恐ろしい役でしたねー。
作品のタイトルにも関係するエピソードもちょっとこわい気がした。

ところで、長女の夫役の人がさりげなく上手いなと思ってたら、
高橋和也さん(元、オトコグミ!)だったんですね。全然わからんかったぁ。
「ハッシュ!」にも出てはりましたが、脇役としても結構気になる人ではあります。

その他、子供の頃から艶っぽい人と言えばこの人が思い起こされる加藤治子さん
(「魂萌え」での演技は圧巻でした)とか、安心して観てられる役者さんが揃ってて、
それがまあるくおさまってる所がいいんです。
(邦画は役者のクオリティの問題アリ!で、映画に集中できない時がたまに
あるんですよね、残念な事ですが。)

日常の風景に色々なものが凝縮されて表現されているんですけど、シーンとシーンの間に
はさまった一瞬のショットなんかがいい塩梅の作品。このあたりけっこうツボでした。

昭和30年代位に開発された様な郊外都市の一戸建て、その設えや雰囲気、
生活のリズムにも懐かしい気持をかきたてられる。
ゴンチチの音楽もピッタリで何か心地良い夏のけだるさを感じました。

それにしても、昔はワイルドでカッコよかった原田芳雄さんが今はもうすっかり
おじいちゃん役なのには、自分の年齢とも重ね合わせて色々と感慨深いものがありますぅ。
なんだか向田邦子作品のガンコおやじを思い出しました。

梅田ガーデンシネマにて観賞