ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

つぐない

贖罪 上巻 (1) (新潮文庫 マ 28-3)贖罪 上巻 (1) (新潮文庫 マ 28-3)
(2008/02)
イアン・マキューアン

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監督: ジョー・ライト
(2007年 イギリス)
原題:ATONEMENT

【物語のはじまり】
1930年代、戦火が忍び寄るイギリス。政府官僚の長女セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、
兄妹のように育てられた使用人の息子、ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と
思いを通わせ合うようになる。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

恥ずかしながら、この 映画の原作である「贖罪(しょくざい)」の作者、
イアン・マキューアンについては何も知りません。
ブッカー賞を授賞してはる位やから有名な作家なんですよね、きっと。
とにかく映画を最後まで観て「これでいいんか!」という気分にさせられましたよん。
この物語に関する一番大きな疑問が私の中で解決されないままやし(まるで「ゆれる」
最後まで観てもわからなかった時の様に)、また「それが贖罪? 罪ほろぼし??」という
腑に落ちない点もあるので、原作がどうなってるのか ものすごく気になるというのが、
ストーリーに関する感想です。

映画としてはどうかというと、結構入り込んで見入ってしまいました。
今回もマカヴォイ君良かったですねー。なんだろう、彼の魅力は。見る側から
その役を近く感じさせるというか、演じる人物にイキイキとした息吹の様なものを
吹き込める力があるんかなぁ。

そんな彼以上にゾクッとする演技を見せてくれたのが子供の頃のブライオニーを演じた
シアーシャ・ローナン。彼女の一挙手一投足から目が離せないんです。
多感で未熟そして残酷な面を持つ少女の内面が見事に表現されてて。

ブライオニー歩き方や目の動き、またロビーがセシーリアに手紙を書きながら
椅子を回転させる仕種等、印象に残るシーンは数々あります。
あっ、ロビーとセシーリアの噴水のシーンもドキドキしていいっ。

1930年代のイギリス政府官僚のお屋敷が舞台という事で、前半は自然も含めて美しいシーンが
数々あり、キーラも高飛車なお嬢様役がピッタリ。正直、後半は演技がなんとなく単調な感じで
前半の様な輝きが感じられなかったんですが。

また、戦地の映像は何か幻想的で、現実か夢なのか???という印象。
特にダンケルク海浜のシーンは何か違う映画を見ている様な気になったので良かったのか
悪かったのか、ちょっと複雑な気分。

結果的には123分を堪能させていただきまして(長さは感じなかった)、
ごちそうさま!という感じです。

テアトル梅田にて観賞。