ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

トゥヤーの結婚

監督:ワン・チュアンアン
(2006年 中国)

【物語のはじまり】
中国内モンゴルの北西部、事故で下半身不随となった夫と幼い子どもたちと暮らす
トゥヤー(ユー・ナン)。砂漠化の進む草原で朝から晩まで畑仕事や水くみ、
羊の放牧に明け暮れるが、寝たきりの夫を抱えた厳しい生活と、日々の重労働から
彼女の体は限界に達していた。そしてトゥヤーは生きるため、家族への愛から
ある決断を下す。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

うーん、トゥヤーがなんとも魅力的。「秋菊の物語」(チャン・イーモウ監督作品)の
コン・リー演じる秋菊を思い出しました。大陸の女性は逞しい!
センゲーでなくてもずっとついていきたくなるよなぁ。
なんだかぶっきらぼうで愛想はないけれど、一筆書きで書いた様なすっきりとした
気持のいい顔をしている所も似ています。学なんて無くても聡明で美しい。
すっごい着膨れてる所も一緒。(=^_^=)

素人らしいバータルやセンゲーもいい味出てました。センゲーなんか情けないところが
めちゃくちゃリアルで可愛げあるんですよね。

善良な人が一生懸命に生きていく物語なんですけど、急激な変化により消滅していきつつある
内モンゴルの昔ながらの生活をどこか惜しんでいる様な、そんな作り手の感情も伝わってきます。

冷静に考えると大変な生活なんですが、なんだか微笑ましくさせるそんな魅力ある作品。
無限にも思えるモンゴルの水平線が涙で滲んでしまいました。

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。