ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

フローズン・タイム

監督:ショーン・エリス
(2006年 イギリス)
原題:CASHBACK

【物語のはじまり】
美大生のベン(ショーン・ビガースタッフ)はガールフレンドの
スージー(ミシェル・ライアン)と別れ、不眠症に陥っていた。
眠れない時間を有効に使おうと夜間、スーパーマーケットでのアルバイトを始めるが。。。。

昨年の「大阪ヨーロッパ映画祭」で上映されていたこの作品。
実はそんなに気になっていた訳ではないんですよね。予告編を見て「おっ」と思ったのと
イギリス映画という事だけで観たんですが、予想以上に好みの作品で嬉しくなりました。

ファッション雑誌のフォトグラファーだったという監督さんのセンスがキラッキラッしてて、
一瞬の美が輝いてました。静止した状態とスローモーションな映像が良くも悪くも印象的で。
最初に登場するスージーの怒っている表情とそれを観察する(かの様な)ベンの対比や、
まるでポージング中のモデルの様な女性のボディライン等、惹き付けられる要素がいっぱい。

思わず声を出して笑ってしまうシーンもあって、ユーモアあふれる作品。
小ネタもきいてて(店長のマグカップにも注目!)クスクス笑いも有り。
なんかこの感じ、前に体験してるなぁと思ってたら、「オレンジカウンティ」でした。
主人公が植物的な好青年(色気は無し)で、一番近くにいる幼馴染み
(「オレンジカウンティ」の場合はジャック・ブラック演じる“兄”だったけど)が
超おバカ。周りにはクレイジーな人達。主人公はいたってマジメだけど笑える。

でも、「オレンジカウンティ」との違いは、圧倒的なおしゃれ(っていう表現が適切かは
わかんないですが)感なんです。エロスなものが嫌らしくなく表現されていていい感じ。
最初はありふれててちょっと疲れた女の子に見えたシャロンも、恋したベンの視線で
とらえると奇跡的な瞬間の美しさが! また、過去と現在がシンクロナイズするシーン等、
この監督のセンスは結構好きヾ(〃▽〃)ノです。音楽もよかったし〜。
シャロン役のイギリス女優エミリア・フォックスと共に、今後も、注目していきます。

※エミリア・フォックスは、イギリスのTVドラマ「高慢と偏見」に出演してたらしい。
 コリン・ファースも出ていたこのドラマ観ていないんで、ぜひNHKで再放送して欲しい!

梅田シネ・リーブルにて鑑賞。