ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

カルラのリスト

監督:マルセル・シュプバッハ
(2006年 スイス)
原題:CARLA'S LIST/LA LISTE DE CARLA

旧ユーゴ紛争の戦争犯罪人を探し出し、起訴するために闘う国連検察官
カルラ・デル・ポンテの姿を追った社会派ドキュメンタリー。
紛争下で起きた集団虐殺の責任者たちを告発する旧ユーゴスラビア国際刑事法廷に
初めてカメラが入り、“国際正義”を貫こうと奔走(ほんそう)する女性の活動を
映し出す。戦犯捜査に非協力的な当事国の対応など、国際社会の中で戦争犯罪を裁き、
正義を貫くことがいかに困難なことであるかを浮き彫りにしている。
(シネマトゥデイより転記させていただきました。)

昨日「コソボのサチ首相が独立宣言した」というニュースが流れたのを機会に、
この映画についての感想をちょこっと書いてみます。

3週間前に観たこの映画の感想がなかなか書けなかったのは、
すごく興味深い内容の作品だったのに、
映画としては今ひとつ共感できなかったからです。

今まで報道で少しだけしか見られなかった旧ユーゴスラビア国際刑事法廷について
垣間見る事ができたのと、国連検察官カルラの実質的な仕事について知る事が
できた事は素晴らしいことだと思います。
できれば、大多数の人が観るメディア(TV等)でこういう作品を放映して
欲しいですね。

ただ、カルラの苦悩やいらだちはそれなりに判るのですが、共感するところまで
いかない所がドキュメンタリー映画としては弱い所だと思いました。
(私個人としては、ですが。)

それにしても、このドキュメンタリーを観る限り、戦争犯罪人の逮捕に
非協力的な現在のセルビア政府に対しての不信感は募りますね。
そして、独立宣言はしたものの今後の旧ユーゴ関連の問題は後を引きそうで
心配です。戦争が起きないようにと願うばかりです。

第七藝術劇所にて鑑賞。