ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

迷子の警察音楽隊

監督:エラン・コリリン
(2007年 イスラエル/フランス)

原題:THE BAND'S VISIT

【物語のはじまり】
1990年代のイスラエル。招待されてこの国に演奏しに来たエジプトの警察音楽隊。
しかし、何かの手違いか出迎えもなく、自力で目的地を目指すことに。

小さくて面白い作品。こういうの好きです。クスクス笑いがあちこちで起きてましたねー。
警察音楽隊の団長(サッソン・ガーベイ)が、なんかくそ真面目で笑える。
空港から市役所に電話で問い合わせようとするんですが、何言ってるんだかわからない相手に
電話を保留にされてしまいます。懲りずにかけ直してまた、同じ事をする。
アレキサンドリア警察音楽隊」と名乗るんですがそれがやたら長ったらしくて、
相手にはとても伝わりそうにない。この不器用さがいいんです。

他にもこの映画には小さくて面白いエピソードがいろいろあって楽しめましたぁ。
なんか優しい笑いなんですよねー。

そんな彼等に救いの手を差し伸べるカフェの女主人ディナ(ロニ・エルカベッツ)が、
なかなかおっとこまえな感じでよかった! この気風のいい女性の存在によって
作品に少しの華やかさと活気が出ていい感じです。

ほのぼのと味わい深い作品。もう少しエジプトの民族音楽を聞きたかった様な気もしますが。
でも、ラストの演奏の歌い出しは見事!(吹き替えらしいですが)
「アズールとアスマール」を思い出す様なアラビアンミュージックにしばし酔いました。

それにしても、カンヌ国際映画祭が本作のために“一目惚れ”賞を特別に設けたっていうのが、
素敵ですね〜。やる事がしゃれてるよなぁ。

梅田シネ・リーブルにて鑑賞。