監督・脚本: ジェラール・ユスターシュ=マチュー(2006年 フランス)
原題:AVRIL
【物語のはじまり】
孤児として修道院で育てられたアヴリル(ソフィー・キントン)は
正式な修道女になるための儀式に入ったが、
修道女ベルデナット(ミュウ=ミュウ)から自分の兄が存在する事を知らされる。
オープニング。白く塗りつぶされた紙にブルーの絵具がのっていく。
なんだか、ブルーの水彩絵具が印象的だった「ミス・ポター」を思い出した。
導入部分で惹き付けられるって、大きい。
アヴリルやピエール達、ここに登場する若者達の邪気のない素直な様子は観ていてとても眩しい。
あまりリアリティのないストーリー展開と、レトロな感じの小道具や
懐メロっぽいフレンチポップス等、独特な雰囲気を持つ作品に仕上がっています。
アヴリル役のソフィー・キントンの化粧っけのない素朴な笑顔がすごく印象的。
ちょっと肉付きのいいごつごつした体も役のイメージぴったりで、なぜか安心感を誘う。
アブリルが育ったトラピスチヌ修道院はちょっとうさん臭い感じなんですね。というか、
修道院長のシスターとは思えない言動にちょっとビックリさせられてしまいます。
後半の展開がそれまでの作品の雰囲気からちょっとはずれてしまった様に感じたのは
残念でしたが、ラストシーンで起こる礼拝堂での奇跡がなんだかうれしかった。
それにしても、ここのところ観ているヨーロッパ製作の映画はどれも
小さくても素敵な作品で「観てよかったなぁ」としみじみしますぅ。(=^_^=)
第七藝術劇場にて鑑賞。