ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

アフター・ウェディング

アフター・ウェディング オリジナル・サウンドトラックアフター・ウェディング オリジナル・サウンドトラック
(2007/09/27)
サントラ

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監督:スザンネ・ビア
(2006年 デンマーク/スウェーデン)
原題:EFTER BRYLLUPPET/AFTER THE WEDDING

【物語のはじまり】
インドで孤児たちの援助活動を行っているヤコブ(マッツ・ミケルセン)は、
資産家ヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)から多額の寄付金受ける条件として
母国デンマークでの面談を要請される。帰国したヤコブは、
ヨルゲンの娘アナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)の結婚式に招待され、
そこでかつての恋人ヘレナ(シセ・バベット・クヌッセン)と再開するが。

『しあわせな孤独』の監督スザンネ・ビアによる、
2007年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品。

楽しみにしてました、この作品。誰が正くて誰が間違っていると言い切れない様な、
複雑な気持ちにさせられる白黒ハッキリしない感じ。そして、特定の人物に
共感するというよりも、そのシーン毎に登場人物の気持ちが伝わってくる所なんかが
この監督の持ち味なんでしょうか。
久しぶりに結構泣いてしまい、鼻水が流れっぱなし。マスクをしていてよかった!

とはいえ、マッツ・ミケルセン贔屓なので個人的にはヤコブ目線で観がちでしたけど。
根が真面目で不器用な役の彼は素敵で、本当にこんな人なのかと思ってしまいます(笑)
もちろん他の俳優陣も素晴らしくて、ヨルゲンには特に泣かされましたー。

この作品も『しあわせな孤独』も、物語そのものの面白さというよりは
(物語そのものはヘタな演出をすると陳腐なメロドラマになる危険性もあると思う)、
登場人物の細かな心理描写や紋切り型ではない登場人物の描き方、
また独特な演出等に魅力を感じます。

正直、こういう物語で客観的に冷めた視線でしか観られないものも存在しますよねー。
この映画、ラストもあっさり私好みです(『しあわせな孤独』と同様に)。
心揺さぶられ惹き付けられる不思議な魅力を持つスザンネ・ビア作品、
ある愛の風景』も楽しみ!

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。