ヴィーナス - ゆるり鑑賞　Yururi Kansho

監督ロジャー・ミッシェル
（2006年イギリス)

【物語のはじまり】
モーリス（ピーター・オトゥール）は70才代のベテラン俳優。
かつての俳優仲間達と刺激のない日々を過ごしていた。
ある日、旧友イアンの姪の娘ジェシー（ジョディ・ウィッテカー）が
田舎からロンドンに上京して来て。。。。

テアトル梅田にて鑑賞。

ジェシーがいいわぁ！あのダラシなさ。
「モデル（思いっきりなまりの強い英語の様でした）になりたい」と言いながら
ジャンクフードを貪り食ってる所とか、イカにもな男のいいなりになる所とか、
上目づかいの犬の様な目つきとか。若さゆえ〜ではすまされない愚かさと、裏返しの純粋さ。
それがなんだか可愛く思えてくるのが不思議。

無条件に女性の若さを賞賛しそうなモーリスなら別にジェシーでなくても
よかった様な気もします（私の読みが甘いのかもしれませんが）。
ちょっとあきれる位エロいじいさんなんですけど、女性の扱い方が
ソフトでユーモラス。可愛げがあるって感じですか。

もう少し妻ヴァレリーの葛藤や夫婦間の問題も描いて欲しかったけど、
そっちにいくと違う映画になってしまうからこれで良かったですね。
ヴァレリーの中のわだかまりの様なものはすごく伝わってきましたが、
やがてそんな状況にも変化が訪れます。
（私やったら執念深いから、一生許されへんかも。。。。）
モーリスが生命力や若さを切望している感じがあからさまで、
ちょっと切なくなる映画でもありました。

イギリスびいきなんでそれだけで基本点が上がってしまいますが、
ラストもすごく私好みでよかったなぁ。洒落てるよ。
コリーヌ・ベイリー・レイの曲もすごくいいし。
リムジンのシーンや教会でのダンスシーン等、音楽の使い方も素敵です。