監督 リサ・ラックス、ナンシー・スターン
(2005年 アメリカ)
第七藝術劇場にて鑑賞。
西アフリカ、ガーナ出身の義足のアスリート、エマニュエル・オフィス・エボワに
密着したドキュメンタリー映画。
障害を持つということが「前世代の悪行より呪われて発生した結果」という考え方が
発展途上国ではよくある事なんでしょうか。
「ブラインドサイト」で観たチベットでの盲人に対する差別や偏見を思い出しました。
またそれだけではなく、社会的に障害者の保証がない国家では、経済的にも非常に困難な
立場にさらされ、物乞いとして生きて行くしか道しか残されていません。
そんな中、エマニュエルをささえたのはひとえに母親や家族(親戚)の愛だと
感じました。映画の中に母親が登場する事はありませんが、
彼が誇りを失わず前向きに困難に立ち向かう事ができるパワーの源が、
母が彼に残した言葉の数々から感じられます。それとは逆に彼の父親は。。。。
ネタバレになってしまうので言えませんが、人間としての大きさの違いを感じました。
ただ惜しいのは、アメリカ映画的というと偏見かもしれませんが、
あまりにもエマニュエルをヒーローとしてカッコよく撮る意図が見えてしまってて。
その辺がいまひとつ素直に受け入れられない“のり”でした。
ポーズきめてるショットとか要らないんですよね、別に。
そんな事しない方がよっぽどカッコいいんですよ。生き方そのものが
“感動”を与えるんですから。ガーナの夕日は美しかったけど。
自分自身のハンディキャップに打ち勝つことをきっかけに、
ガーナにおける障害者の生活改善や自立に対して精力的に活動する彼の姿には、
こんな私でも何か成し遂げられる事があるかもしれないなぁと考えさせられる
“力”がありました。