ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ミス・ポター

ミス・ポター (竹書房文庫 DR 202)ミス・ポター (竹書房文庫 DR 202)
(2007/09/06)
リチャード・モルトビー Jr.

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監督 クリス・ヌーナン
(2006年 イギリス/アメリカ)
TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。

1900年代初頭のロンドン。
上流階級の家庭に育ったビアトリクス(レニー・ゼルウィガー)は、
子供の頃から大好きだった動物たちの物語を絵本を出版するべく、
出版社を訪ねていたが。

上流階級の女性が職業を持てなかった時代に、
絵本作家としての道を自ら切り開いたピーター・ラビットの生みの親
ビアトリクス・ポターの人生を描いています。

20世紀初頭の美しい風景を満喫〜。
所々で挿入されるアニメーションもイイネ!
絵本のキャラクターが動き出すんですけど、
これが絶妙の分量で、あっさりといい感じ。

オープニング、水彩絵具で描かれるブルーのラインたち。
ここからもうワクワクして、かなりはしゃいでる自分を感じていました。
色々な小道具や家具を観ているだけでもウキウキする。

ピーターラビットの本こそ持っていませんが、NHK教育で放送されていた
「ピーターラビットとなかまたち」のシリーズが大好き!
また、何年か前にビアトリクス・ポター湖水地方についての番組をNHKで観てから、
湖水地方やナショナルトラストの活動に興味を持っていたので、期待満々で観に行きました。

イギリスの湖水地方と言えば、 詩人ワーズワース
児童文学作家アーサー・ランサムなどのゆかりの地でもありますが、
人にはそれぞれ自分の気持ちが豊かになる“場所”というものが
あるのかもしれないなぁなどと思ったりしました。
私にとって気持ちが豊かになれる場所とは、
はたして何処なんやろぉとか色々と考えたりして。

個人的にはストーリーに関係なく、なぜか涙してしまう映像。
心癒され、優しい気持ちになれる作品です。
ビアトリクスと母親の確執等、もう少し掘り下げて描いて欲しい所も
ありましたが、あえてサラっと作ったんでしょうかねぇ。
ちょっと綺麗に描きすぎなんやろかと一抹の不安も感じさせますが、
これはこれでいい様な気がします。
同監督の作品「ベイブ」を観た後も同じ様な穏やかな気持ちになったのを
思い出しました。すこーし物足りなさを感じつつ、こういう作品も私は好きです。

以前に写真で観たビアトリクス・ポターのイメージと
あまりに違うR.ゼルウィガーには少し戸惑いがありましたが、
観ているうちに気にならなくなりました。
後半、土地の開発業者に「私は、誰にも文句を言われない云々」等と堂々と言ってのける
ビアトリクスには胸がスッキリ!

ところで、彼女の初恋の相手ノーマン役のユアン・マクレガー
私の中ではいまだに「トレインスポッティング」の印象が強いので、
はぁ〜こんな役もはまってるんやなぁと妙に感心してしまいました。
彼の作品といえばあとは「普通じゃない」(「スター・ウォーズ」のシリーズは観てないので)と
ムーラン・ルージュ」位しか知らないんですが、
いい意味で個性的でない、役になりきってる俳優さんという印象です。
スコティッシュというのも好感が持てます。

Y.マクレガーとR.ゼルウィガーのコンビと言えば「恋は邪魔者」。
まだ観てないので、ぜひみよう!