ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

イタリア的、恋愛マニュアル

監督・脚本 ジョヴァンニ・ヴェロネージ
(2005年/イタリア)

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。
1つ下の階にある「シネリーブル」が人で溢れかえってて、
何ごとかと思うと「エヴァンゲリオン」を観に来てた人達でしたぁ。

【物語のはじまり】
第一章:めぐり逢って
失業中のトンマーゾは、観光ガイドのジュリアにひと目惚れするが、
相手にされない。

第二章:すれ違って
倦怠期で危機的状況にあるマルコとパルバラの夫婦。
パルバラは危機を乗り越えようと努力をするのだが。

第三章:よそ見して
婦人警官のオルネッラは、信頼していた夫の浮気に気づき激怒、家を飛び出す。

第四章:棄てられて
小児科医ゴッフレードは、妻が家出してしまい理由もわからずにいた。

お気楽に観られるイタリア的コメディに男女間の人間関係をプラスした、
という感じです。しかも4つの話から成っているので、
1つ1つの話がかる〜く仕上がっていて。

感動ってほどの事もないけれど、それぞれ楽しい作品で、
イタリアというお国柄が出てた感じがして良かったんですよね。
あっ、でも第1話のトンマーゾの強引さと、やに下がった顔が苦手だったので
ちょっと共感できませんでたが。
 
各々の話がつながっているわけじゃないんですけど、男女が出逢ってから盛り上がり、
そのうちに倦怠期を向かえ、パートナーの浮気が発覚して、
やがて来る別れからの立ち直り、というような誰にでもあり得る
恋愛の移り変わりを各パートに分けて描いている感じです。
第4話がいちばんコメディ色が強かったのかなぁ。劇場内でかなり笑いが
起こってました。個人的にはこの話、可笑しい中にもせつなさがあって、
一番好きでした。美しい映像もいい感じ。

恋に落ちてそれを成就させるのに苦労する時もありますが
(その辺はスイスイィーっといく人もいるし)、何が大変って
その気持ちを保ったままいい男女関係を継続していく事ですよねぇ。
なんたって、情熱は醒めるもの。
この映画ではそんなシビアな面を笑い飛ばしてコメディ仕立てにしています。
この手の映画ではお約束の言葉の応酬(まくしたてる)も、
イタリア語なら何故か心地いい。

余談ですが、フランスのTVドラマ「巌窟王」でG.ドパルデュー演じる
モンテ・クリスト伯の友人でもある執事役だったセルジオ・ルビーニが
「すれ違って」のマルコ役で出ていて、思いかげない再開(?)が
嬉しかった!