ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

キングス&クイーン

キングス&クイーン

監督・脚本: アルノー・デプレシャン
(2004年/フランス)


【物語のはじまり】
30代半ばで画廊を営むノラ(エマニュエル・ドゥヴォス)には、
十歳の息子エリアス(ヴァランタン・ルロン)がいる。
裕福な実業家と3度目の結婚を控えていたが、
パリから実家のあるグルノーブルに帰ると
父が末期のガンで余命わずかだと判明する。。。。

人間の内面を残酷なまでに切り開いて見せる様な描き方。
小さな衝撃はありますが、観ていて辛くはない。
そんな人間達すら愛おしく感じられる映画です。

エマニュエル・ドゥヴォスにはある種鈍感な
(部分を持たざるをえない)役が似合う。
ケイト・ウィンスレットにも通じる野太さが感じられて、
あまり好感を持てないタイプではありますが、ノラ役にはまってました。
ノラの価値観、人生の選び方を自分に置き換えると
全くありえないと思えるのですが、共感できる部分もあって、
それだけ人間って複雑なんやろなぁと思いました。
パキッと分析できないんですよね。

イスマエルのキャラクターが楽しくて、
おまけにイスマエルのパパが頼もしくて陽気で、
この映画の明るい部分を担っています。
イスマエルの姉は最悪やけど(姉役の女優さんは
「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」でも、
性格悪い役でしたよね、たぶん)。

それにしてもこの映画のエピローグは、なんてしみじみと素敵なんでしょう。
終わりよければ。。。ですかね。
イスマエルの言葉を聞いていると、私も今すぐ「愛」を伝えたくなりました!