ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ブラインドサイト 〜小さな登山者たち〜

監督 ルーシー・ウォーカー
(2006年/イギリス)

第七藝術劇場にて鑑賞。

盲目のドイツ人教育家サブリエ・テンバーケンにより
チベットで設立された盲人学校の子供達が、
世界的に有名な盲目の登山家エリック・ヴァイエンマイヤー達と
ヒマラヤ登山に挑戦するドキュメンタリー。

チベットでは、前世のカルマが原因で盲人となる等のとらえ方があり、
盲人は偏見と差別にさらされている。
世界のいろいろな場所で、今もなお障害を持つ人達に対する
あからさまな差別が行われているのは事実だと思います。

みんな、何かしらの感動を求めて映画館に足を運ぶんだと思うのですが、
この映画に関しては「障害を持つ子供達がヒマラヤ登山に
挑む姿で感動!」というよくありがちな展開とは、
ちょっと違う作品になっています。

大人達の対立や葛藤、キレイごとではない現実問題。
ちょっと意外でもあり、嬉しくもあった。作りもんじゃないんやなぁと。
西洋と東洋の考え方の違い、なんて話も出て来たりして面白い。
エリックの気持ちも判る気がするし、それ以上にサブリエの
子供達に対する必死な思いも画面を通してひしひしと伝わってくる。

それにしても、欧米人達はディスカッション慣れしてますよねー。
小さい時からそういう教育を受けているせいか、主張すべき事を
表現する能力が高いと改めて感じました。

私的には、ドキュメンタリーゆえのこの結末にブラボー!
エンドロールあたりから泣けてしまいましたが、
映画館を出た頃には、Happy Together を口ずさんでました〜。

※ちなみに、「ブラインドサイト」(Blindsight)は
 直訳すれば「見えない人の視覚」ですが、
 「見える、見えないという視覚とは別の側面を持つ視覚がある…」
 (岡山県立大学 障害・行動科学ラボ ホームページより引用)
 という興味深い文章がチラシに載っていました。
 ネットではもっと詳しく知る事が出来ます。