監督 セドリック・クラピッシュ (1996年/フランス ) |
【物語のはじまり】
ブルターニュ地方のひなびた田舎町のカフェ、“静かなる父"。
家業を継いでこのカフェを経営する長男アンリ(ジャン=ピエール・バクリ)を
はじめ、金曜日には一家が集まり食事をする習慣だったが。。。
アニエス・ジャウィ、ジャン=ピエール・バクリの大ヒット戯曲を映画化。
セドリック・クラピッシュ作品を観るのは初めてです。
舞台のほとんどは、長男の経営するカフェ「静かなる父」。
最初から、アンリの妹ベティ(アニエス・ジャウイ)と
バーテンダーのドニ(ジャン=ピエール・ダルッサン)が
どーも落ち着かない雰囲気。この先のややこしい展開を予測させます。
やがて、店主でもあるアンリが店に降りてきますが、
バクリが演じるだけあって、デリカシーに欠けるタイプのアンリは
余計な事をベティに言ったりする訳です。気まずい空気。
そんな中、母(クレール・モーリエ)、
次男フィリップ(ウラディミール・ヨルダノフ)と
その妻ヨヨ(カトリーヌ・フロ)が到着します。
そこからは、閉ざされた空間での会話・会話・会話。
そのうちに、お互いの不満や本音が見えかくれしてきて、
やがて感情をぶつけ合うまでの過程が面白い。
そんな会話の数々も面白いんですが、ヨヨとドニのダンスシーンの
カトリーヌ・フロがとても可愛らしいかった。
また、ドニはアニエス・ジャウィ監督の「みんな誰かの愛しい人」における
セバスチャンの様に、話が進むにつれ段々無くてはならない存在になっていきます。
(ヨヨの「この犬ほんとに死んでるみたい」というセリフには
かなりカチンときた私ですが。)
フランス映画やTV作品ではお馴染みの、会話の応酬が好きな方なら
エスプリのきいたこの作品はきっと気に入るはず。
クラピッシュ監督の「猫が行方不明」もぜひ観てみたいと思いました。