ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ボルベール〈帰郷〉★

ボルベール (ランダムハウス講談社 ア 3-1) ボルベール (ランダムハウス講談社 ア 3-1)
ペドロ・アルモドバル (2007/06/02)
ランダムハウス講談社
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↑文庫本

監督:ペドロ・アルモドバル
(2006年/スペイン)

【物語のはじまり】
過去に火事で両親を失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)と
姉のソーレ(ローラ・ドゥエニャス)は、故郷ラ・マンチャで一人暮らしをする
伯母の世話を隣人のアグステイナ(ブランカ・ポルティーヨ)に頼むのだが。。。

劇場でアルモドバル作品を観るのは「トーク・トゥ・ハー」以来。
すごく久しぶりなので、ドキドキ&期待に胸膨らませて観ましたが、
相変わらず、引き込まれましたよぉー。そして、そのテンションが
120分間ずっと続き、堪能させてもらいました!

それから、この映画ではペネロペにすっかり魅了されました!
今までは、特にファンでもなかったんですが、
スペイン女性を、逞しく、美しく、そして魅力的に演じていて、
彼女が大好きになりました。すごくイキイキしてた。

タンゴの名曲「VOLVER(帰郷)」を歌う場面も、ゾクゾクして。
後で調べたら吹き替えでしたが、それでも迫力ありましたねー。

悲惨で深刻な問題を抱えながら、ユーモラスで笑える部分も結構あります。
出てくる女性達のバイタリティに唖然としながらもどこか清清しさを感じる。

正直言って、「神経衰弱ぎりぎりの女たち」 (1988)や「アタメ」(1990)等は、
面白いけど小作品だなとという印象でした(小作品も好きですが)が、
ここ何年かに見られる様なスケールの大きさも感じさせる作品に
仕上がっていると思います。
アルモドバル作品のファンでなくても、普通に楽しめる映画ではないでしょうか。

それにしても、挨拶の「チュッ!」の音がやけに耳に残ったなぁ。