ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

素粒子

素粒子 (ちくま文庫) 素粒子 (ちくま文庫)
ミシェル ウエルベック (2006/01)
筑摩書房
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↑原作

監督 オスカー・レーラー(2006年/ドイツ)
シネ・ヌーヴォにて鑑賞。

【物語のはじまり】
かつて両親に養育放棄され、それぞれ祖母のもとで育てられた異父兄弟の
ブルーノ(モーリッツ・ブライブトロイ)とミヒャエル(クリスティアン・ウルメン)。
性的衝動を抑えきれない国語教師の兄とは対照的に、
女性に関心を持たない天才的な数学者の弟。。。

ヨーロッパで反響を巻き起こした(らしい)
ミシェル・ウエルベックのベストセラー小説の映画化。

矛盾した“何か”を感じる映画です。
深刻なテーマでありながら、重くない(と感じるのは私だけか?)。
滑稽に描いているのに、そう笑えない。
などなど、一口には言い表せないんですけど、
観ていて面白かったですね。

モーリッツ・ブライブトロイ演じる長男のブルーノは
一見、渋めのいけてるおじさんなんですが、
観ているうちに段々気持ち悪くなってくる。
話が進むにつれて、又、こちらの気持ちも変化していきます。
(それにしても、M.ブライブトロイ上手いですぅ。)

対照的な弟は、いかにも知的なんだけど人間的に何か欠けてる感じ。
原作は読んでいませんが、そこんとこどうなってんの?と
興味を感じる所がいろいろあって、原作を読もうと思いました。

「善き人のためのソナタ」の女優役、マルチナ・ゲテックが色っぽい。
しかしながら、生理的に嫌悪感を感じる人もいるかもしれない
エロい映像が結構でてきますので、ご注意下さい。

幼馴染みアナベル(フランカ・ポテンテ)の存在が、この映画にホッとする
空間を与えています。愛おしくなる存在ですね。

この作品のハッキリクッキリしない曖昧な雰囲気が結構好きです。