ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

オネーギンの恋文

オネーギンの恋文
監督 マーサ・ファインズ
(1999年/イギリス)

【物語のはじまり】
1820年代のペテルブルグ。貴族のオネーギン(レイフ・ファインズ)は
伯父の地所を継ぎ田舎で暮らし始める。青年地主レンスキーと
その婚約者オリガ、オリガの姉タチアナ(リヴ・タイラー)達と知り合い、
やがてタチアナはオネーギンに惹かれていく。

ロシアの文豪A・プーシキンの名作の映画化

当時の貴族社会のいでたちのせいか、主役がレイフ・ファインズという事に
なかなか気がつきませんでした。
シンドラーのリスト」や「イングリッシュ・ペイシェント」の時とはかなり
イメージが違ってて。無気力な感じのキャラクターになりきってましたね。

この映画でのリブ・タイラーは清らかで美しいですね。
心の中に燃えたぎる様な情熱を持ちながらも貞淑である、そんなイメージにピッタリでした。
それに比べて人間と真剣に真正面から向き合えない、オネーギンの
現実から逃げているようなところが情けない! 
この映画で最後までオネーギンには感情移入できませんでしたが、
レイフ・ファインズは心の弱さをかいま見せるオネーギンを上手く演じていたと思います。

ロシアのお話なのに、全編英語というのはちょっと違和感ありましたが
(映画「SAYURI」俳優陣の英語会話ほどの違和感ではないですが。)、
映像の美しさや、うるさい説明やセリフなどがない好感の持てるモノでした。
しかし、オネーギンが田舎を去ってからの心の葛藤などを想像する事のできる
映像がもう少し欲しかったと思います。