杉花粉が飛んでますねー
少しずつ暖かくなり、年末に郵便局でもらったパンジーの花数もぐっと増えました
今週末からは見たい映画が多いです
続きを読む公式サイト:http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/
※音声が出ますのでご注意ください
監督・脚本・編集・製作:グザヴィエ・ドラン
原作:ジャン=リュック・ラガルス「まさに世界の終わり」
音楽:ガブリエル・ヤレド
(2016年 カナダ/フランス制作 99分)
原題:Juste La Fin Du Monde
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)
母のマルティーヌ(ナタリー・バイ)は息子の好きだった料理を用意し、幼ない頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)は慣れないオシャレをして待っていた
浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)、彼の妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)はルイとは初対面だ
(公式サイトより転載させていただきました)
戯曲が原作なだけあって、ほとんどが「家」という空間で展開する、舞台劇のような映画です
これまでも、家族・親子の関係性を描いてきたドラン監督
傷つき傷つけ合いながらも、互いに愛を求める心理がビシバシ感じられるドラン作品は、見ていて心がヒリヒリします
今作もヒリヒリはしましたが、主人公ルイの一歩退いたような態度もあってか、最後まで乾いた感触のようなモノがつきまといました
「マイ・マザー」(2009)や前作「Mommy/マミー」のような濃密な人間関係も、時折感じられるユーモアも、ここでは見られません
母・兄・兄嫁・妹それぞれの心理は描かれていますが、なんとなく分散してしまった印象なのかなー
舞台劇としてはきっと面白い作品なんだろう、という想像はつきます
個人的にはルイに対して好感も共感ももてないところが、この映画の苦しいところでした
一つの場所で起こった何時間かの出来事、こうなると会話が全てのような気もしますが、ルイにはほとんどセリフがない
やっとこさ自分から話した(車という密室の中)と思えば、相手に何を伝えたいのかわからない、自分本位な会話なのです
それに対する兄の反応も極端だけど、その気持ちはわからなくもないですね
ルイが実家に帰る目的は冒頭に彼自身の口から語られていますが、本当のところはどうだったんでしょう
セピア色で描かれる幼少期のシーンや、かつての自分の部屋で昔を振り返るシーンから、また、彼が「昔住んでいた家を見たい」と言っていたところからも、自分自身の過去を振り返り心に刻んでおきたいという願望が強く感じられます
これからも生き続けていく彼の家族との関係性に自分なりのけじめをつける、その点についてはどの程度考えていたのか、推し量れなかったのです
自らの死を迎える主人公といえば、オゾン監督の「ぼくを葬る」(2005)が思い出されます
この映画は主人公ロマンが自分の「死」と向き合う姿を描いているので、今作とは視点が全く違うとはわかっているのですが
こちらは、ロマンが仲違いしていた姉にちゃんと自分の気持ちを伝え、愛するものを被写体として残す行為などにシンミリし、けっこうエゴイストな主人公であるにもかかわらず、心寄り添える作品になっているのです
奇麗なラストは悪くいえばリアリティがなく、荒唐無稽な設定と感じられるところもあるけれど、そこから今ある世界の美しさが感じられる、こういうのが良い映画なんじゃないかな〜と、今作とついつい比べてしまう自分がいました
そういえば、ロマン役のメルヴィル・プポーは、ドランの「わたしはロランス」(2012)でも主役でしたね
話が横道にそれたので戻します
ちゃんと自分の「死」と向き合った(それとも向き合っていないのか?)主人公が、自分から何か行動を起こさなかった(それこそがあえての彼の選択だとしても)、それがカタルシスを得ることができない一番の理由なのかもしれません
お芝居という点では、見応えのある作品ですが
とにかく、大物揃いのキャスティングですし〜
特に、兄役のヴァンサン・カッセルの惨めさといったら(笑)
被害者意識の塊のようなキャラクターになりきってました
最後にひとつ引っかかったのは、今回の選曲
洗練されてない家族とはいえ。。。。
マイアヒ〜♪って、いくらなんでも曲がダサすぎでしょっ!(笑)
テアトル梅田にて鑑賞
これまでのドラン監督作品で、一番好きなのはこれ
公式サイト:http://marianne-movie.jp/
監督:ロバート・ゼメキス
製作:グレアム・キング、ロバート・ゼメキス、スティーブ・スターキー
脚本:スティーヴン・ナイト
撮影:ドン・バージェス
プロダクションデザイン:ゲイリー・フリーマン
衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
編集:ジェレマイア・オドリスコル、ミック・オーズリー
音楽:アラン・シルヴェストリ
(2016年 アメリカ制作 124分)
原題:ALLIED
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
カサブランカで出逢い、一瞬で恋に落ちた。
孤独だった人生に、初めて幸福を感じた。
このままずっと続くと思っていた。
(公式サイトより転載させていただきました)
トレーラーが「ザ・メロドラマ」&「泣ける」推しなのと、どんでん返しがあるようにアピールしてるのが、ダメでしょ
マリオン・コティヤール好きな私も、あの安っぽいトレーラーのせいで見る予定にしてなかったんですが。。。
結果としては、スクリーンで見て良かった!
実際は「泣ける」映画でもないし(ホロリとするけど)、結末に意外性はありません
これ、久しぶりのスター映画でありラブロマンスですね
という訳で、マリオン&ブラッド・ピットだから成立した物語かも
めっちゃ久しぶりに、ハンサム役のブラッド・ピットを見ました
「ジョー・ブラックをよろしく」(1998)以来ですかねー
時折その表情に、ロバート・レッドフォードの劣化と同じような傾向を見つけてしまいますが(笑)、こういう役では甘いマスクが活きてきます
(たとえCG修正が入っていたとしても)
モロッコでのラフさのあるスーツ姿もこなれてる感じで、イギリスでの軍服姿もカッコいい!
そして、やっぱりマリオンが美しい〜!
厚みのない貧弱な体型の私としては、こういうファッションを着こなせる大人の女性は永遠の憧れです
マックス(ブラッド・ピット)は人見知りで物静かなのに、いざという時の情熱と行動力がすごくて、これぞカッコいい男という感じ
一方のマリアンヌ(マリオン・コティヤール)は、社交的で明るく、母性にも溢れ
美男美女でもあり完璧すぎる二人だから、後半の悲劇的展開がキレいにハマってくるのかも
細かいこと言えば、妻の事に集中しすぎて他の人の命をおろそかにしてしまうマックスも、手遅れになる前に真実を打ち明けないマリアンヌもどうかと思うけど、二人の世界に強引にでも乗ってしまわないとこの映画はいっぺんにつまらないモノになるかもしれません
かつては、この人が主役っていうだけで多くの人が見に行った、そんな映画が結構ありましたね〜(遠い目)
今はそういうスター(ディカプリオとかトム・クルーズとかじゃなく、そこから世代交代した)って誰になるんでしょう?
TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/staypeculiar/
監督:ティム・バートン
脚本:ジェーン・ゴールドマン
原作:ランサム・リグズ
製作:ピーター・チャーニン、ジェノ・トッピング
製作総指揮:デレク・フレイ、カッタリー・フラウエンフェルダー、ナイジェル・ゴステロー、イヴァーナ・ロンバルディ
撮影監督:ブリュノ・デルボネル
プロダクションデザイナー:ギャヴィン・ボケット
編集:クリス・レベンゾン
衣裳デザイナー:コリーン・アトウッド
音楽:マイク・ハイアム、マシュー・マージェソン
(2016年 アメリカ制作 127分)
原題:MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN
※ネタバレを含みます
【ストーリー】
フロリダで生まれ育ったジェイク(エイサ・バターフィールド)は、周囲になじめない孤独な少年。
そんな彼の唯一の理解者である祖父(テレンス・スタンプ)が謎めいた死を遂げた。
(公式サイトより転載させていただきました)
偶然にもエイサ・バターフィールド主演の映画が続きました
原作はランサム・リグズの「ハヤブサが守る家」
映画の後半部分が原作とけっこう違うらしいので、読んで見たい〜
ティム・バートンの王道という印象です
ちょっと楽しくて、少しだけグロテスクなビジュアルもあり、最後は安全な所に着地したという感じ
ミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)はさほど活躍せず、子供達が主役の映画です
ゴシックホラードラマ「ナイトメア」では、エヴァの顔が恐怖でドラマを見る事を断念した(笑)私でしたが、この映画の彼女は恐くな〜い
むしろ、エヴァ・グリーンで良かったでしょ!
1940年代のイギリスの雰囲気、そのノスタルジックな映像が奇麗で、エマの靴や子供達のファッションが可愛いし、骸骨たちの参戦は楽しくてニヤニヤしてしまいます
何より、テレンス・スタンプの出演シーンには気分が上がる ♪
キャッチコピーにあるほど「奇妙」ではなく、普通に面白くてシンプルな映画だと思います
大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
公式サイト:http://bokutosekai.com/
監督:モーガン・マシューズ
製作:デヴィッド・M・トンプソン
脚本:ジェームス・グラハム
撮影:ダニー・コーエン
編集:ピーター・ランバート
音楽:マーティン・フィップス
(2014年 イギリス制作 111分)
原題:X+Y
※ネタバレを含みます
【ストーリー】
数字と図形だけが友だちだった天才少年ネイサン(エイサ・バターフィールド)
彼は、亡き父の思い出と母(サリー・ホーキンス)の深い愛情に支えられて国際数学オリンピックで金メダルを目指します。でも、彼がそこで見つけたものは、メダルよりすてきな人生のたからものでした。
(公式サイトより転載させていただきました)
幼い頃、自閉症スペクトラムと診断されたネイサンの成長物語です
自閉症の少年が主役といえばナショナル・シアター・ライヴの「夜中に犬に起こった奇妙な事件」
↑この作品があまりにも良かったために、比べてしまうとどうしても辛口になってしまうのですが
それでも、良い映画だなぁと思います
数学は正解があるけれど、人間関係や人のありようにはこれが正解!ってなもんがないのが、、、、
人間ってめんどうで美しくないけど、そこが愛おしいのかな〜
なんて考えさせられます
登場人物一人ひとりがリアルで丁寧に描かれているのが良いですね
特に感情移入してしまうのは、母親のジュリーです
幼い頃から父と仲良しだったネイサンを、母は遠くに感じています
彼に悪気はなくても、ハグさせてくれない、連絡もくれないという子供には寂しさを感じます
心に孤独感を抱えながらも、懸命にネイサンをサポートしようとする母にはエールを送りたい!
サリー・ホーキンスは、こういう役が特に似合いますよね
そんなジュリーが心寄せるのは、ネイサンを指導する教師ハンフリーズ
演じるレイス・スポールはあのティモシー・スポールの息子なんですね!
ハンフリーズのダメなところもなんとなく愛おしく感じられる、そんな可愛げが出せるのが、やっぱり良い俳優さんだなと思います
数学オリンピックのチームメイト達は、クセのある少年達ばかりで個性があって面白いし、演じている若手俳優達の演技も良いわ〜
特に「イミテーション・ゲーム」(2014)で少年時代のアラン・チューリングを演じていた、アレックス・ロウザー(Alex Lawther)との再会が嬉しかった!
「イミテーション・ゲーム」では、ベネディクトよりもむしろ彼の演技に涙したのです
決してハンサムではないけど(すまん!)、演技がしっかりしていて個性がある、こういう俳優さんには期待してしまいます
しかーし唯一、中国代表チーム少女チャン・メイ(ジョー・ヤン)のキャラが謎でした
ただの能天気なのか、気分屋なのか?!
そして、チャン・メイとネイサンの淡い恋物語がピンと来なかったのが、この映画に乗り切れなかった要因かな
ところで、青い瞳が印象的な主演のエイサ・バターフィールドは「縞模様のパジャマの少年」(2008)の主役の男の子だったんですね、なるほど〜
個人的には小さい頃の方が可愛かった気もしますが(笑)、これからどんな風に成長していくのか楽しみです
シネマート心斎橋にて鑑賞
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チョコレートの季節 ♪
ショップチャンネル限定のカファレルのチョコレートボックス、
今年はローズ缶です
30個入ってこの値段(¥3,990)は、やっぱりお買い得です
ちなみに私は、左端のピエモンテ(ヘーゼルナッツの粒入りヘーゼルナッツクリームチョコレート)が一番好きです
今週末から公開の作品、グザヴィエ・ドラン監督の新作に話題が集まってますが、その他にも色々ありますよ〜
公式サイト:http://mirai-hanataba.com/
監督:サラ・ガヴロン
脚本:アビ・モーガン
製作:フェイ・ウォード / アリソン・オーウェン
撮影監督:エドゥアルド・グラウ
編集:バーニー・ピリング
音楽:アレクサンドル・デスプラ
キャスティング:フィオナ・ウィアー
美術:アリス・ノーミントン
衣装:ジェーン・ペトリ
ヘア&メイクアップデザイナー:シアン・グリッグ
(2015年 イギリス制作 106分)
原題:SUFFRAGETTE
※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください
【ストーリー】
1912年、ロンドン。劣悪な環境の洗濯工場で働くモード(キャリー・マリガン)は、同じ職場の夫サニー(ベン・ウィショー)と幼い息子ジョージの3人で暮らしている。
ある日、洗濯物を届ける途中でモードが洋品店のショーウィンドウをのぞき込んでいると、いきなりガラスに石が投げ込まれる。
女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)の"行動"の現場にぶつかったのだ。それが彼女と"サフラジェット"との出会いだった。
少し硬いテーマだけど、見た人同士で会話が弾みそうな映画
キャリー・マリガンはやっぱり可愛いし、アイルランドやイギリスの俳優陣の演技は、見応えあります
そんな中、ほんの少しだけ登場のメリル・ストリープがデカデカとポスターに(笑)
実在した婦人参政権活動家エメリン・パンクハースト
映画では、彼女が率いたグループは戦闘的行為もいとわなかったように描かれています。
そんな「サフラジェット」と目指すところは同じであっても袂を分かつ事になった穏健派の「サフラジスト」(Suffragist)、こちら側については映画では描かれていませんでした
平和的な手段により女性参政権運動をしていた人達にしてみれば、サフラジェットの過激な行動はある点では迷惑だったかもしれない。。。などと想像してしまいます
できれば、両方の視点から描かれていればと思いますが、映画としては焦点がぼやけてしまうかもしれませんね
競馬場で国王ジョージ5世に直訴しようとして命を落としたエミリー・ディヴィッドソン(ナタリー・プレス)も実在する人物のようです
彼女の行動そのものよりも、投げ出された騎手と馬のその後が気になってしまいました
(どうやら騎手は怪我で済み馬は無事だったようです。真偽は確かではありませんが、その後騎手が自殺したという情報も見かけました)
映画の冒頭で、パンクハースト達が長年の運動で成果をあげられずしびれを切らして戦闘的手段に訴えた、とありましたが
デモでの逮捕の後の不当な扱いや、その他の理不尽な事の積み重ねなど私には想像できない理由もあり、方針を転換したのかもしれません
サフラジェットの過激な活動が新聞や雑誌の載る事で、アジテーションを展開するという狙いもあったのでしょうが
それにしても。。。
やはり「暴力」という方法を用いるのは、多くの人の共感も得られないし正しい事だとは思えないのです
今の時代だからこそ、そこは譲れない気がします
とはいえ、これは映画ですから正しいかどうかは問題じゃなく、登場人物に共感できるかどうかがキモなわけです
主人公のモードは架空の人物で、日々の生活に追われるワーキングクラスの女性です
最初はサフラジェットの活動に眉をひそめていた彼女は、次第にこのグループに傾倒していくのですが、、、
うーん、ちょっと納得できなかったなぁ
当時、サフラジェットだった労働者階級の女性達にはそれなりの切迫した理由があったはずです
想像でしかないのですが、彼女達の夫は稼ぎもなく頼りなく思いやりもない、そんな存在だったのではないでしょうか
モードの夫は、最終的には全く頼りにならないヤツでしたが(子供をあんな風に扱うとは)、働く妻をいたわって子供の面倒を見たり食事を作ったりしていました
政治活動に関わる前の夫婦中は良いように思えます
職場の上司(セクハラ!)や社会環境は最悪ですが、ささやかな幸せを棄ててまで過激な運動に身を投じる理由が、いまひとつピンときませんでした
夫の言う事は絶対!という時代で、口ごたえできない状況だとも思えますが「もう関わらない」と約束したとたんに裏切るのはまずいよねぇ
一方、モードを参政権運動に誘ったバイオレット(アンヌ=マリー・ダフ)は、夫の暴力に苦しみ、ぼろぼろの状態で活動しています
そんな彼女も新しい命を宿し、子供を守らなければと過激な運動からは一歩退く事を決意します
こちらのエピソードの方がリアルで共感できます、ハイ
いずれにせよ、この時代を必死で闘った人達の恩恵を、今の私達が受けている事を思い出させてくれる映画です
昔に比べると改善されたとはいえ、今も虐げられ権利を保障されない人を生み出す要因となる日本の法制度、そんな事を考えフツフツと怒りがこみあげてしまう私は、思い切りネガティブ思考かもしれません
大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
【キャリー・マリガン出演作品】
【ベン・ウィショー出演作品】
「ドクター・ストレンジ」に浮かれている ♪ うちに今月も終わろうとしています、早いですね
1月に見た他の映画、3本を簡単に紹介しておきます
「この世界の片隅に」
公式サイト:http://konosekai.jp/
(2016年 日本制作 126分)
昨年からのロングランヒット作品、やっと見られてよかった
戦前〜戦後の時代を、深刻ぶらずに描いているのがイイ!
クラウドファンディングで制作資金を集めたというのがまた、好感度高いですね
まずは、主人公のキャラクターにニヤニヤ
ポワ〜ンとした空気を漂わすヒロインのすず、上手い下手関係なく、のんさんの声が合ってると思う
冒頭から、すずの語るエピソードがユーモラスで頬がゆるむ〜
戦時中の時代を背景に、こんなにもとぼけた笑いのツボがある映画って今迄あったでしょうか?
これは、アニメーションならではと言えるかも
ここで描かれる日常がリアルに感じられるから、その日常を脅かす「戦争」について考えずにはいられない
人の暮らしが温かい目線で細やかに綴られていて、きっと誰もが平和の尊さについて思いを馳せるんじゃないでしょうか
シーンの切り替えが唐突で、あれ?と思うところが何回かありましたが、これまで見た事のない個性と雰囲気をもった作品です
戦争を知らない世代には特に観てほしい、と老婆心ながら思ってしまいます
シネ・リーブル梅田にて鑑賞
「皆さま、ごきげんよう」
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/gokigenyou/
(2015年 フランス/ジョージア制作 121分)
原題:CHANT D’HIVER
オープニング・クレジットから、ゆる〜い感じ
「力いっぱい感動させてやろう!」なんて微塵も思ってないような、この力の抜けた感じが好きなんだな〜
いきなり、ギロチンでの処刑場面
貴族の処刑が娯楽と化してて、庶民の女性が揃いも揃って編み物をしながら見学している(笑)
次は、どこかの戦場
略奪や強姦を繰り広げた兵士達が、洗礼を受け、ピアノをかなでる
どこか間抜けでリアリティはないけど、やはりこれは観ていてつらい
人間の暗い部分を表現する際は、もう少し笑いが欲しいところ
場面が変わり、ここからが映画の大部分で、現代のパリが舞台の群像劇
アパートの管理人(リュファス)と頭蓋骨コレクターの人類学者(アミラン・アミラナシュヴィリ)を中心に、街で廃材を拾って家を作る男(マチュー・アマルリック)など風変わりな人たちが登場し、小さなエピソードが積み重ねられていく
登場人物を見ていると、いかにも私のイメージするパリっ子という感じ
我が道を行くというか、いい意味で他人の事には我関せず、だけど理不尽な事には立ち上がる彼ら
ワインやお洒落を嗜み大人なようにみえて、みみっちい事に感情を爆発させ子供のような面を見せたりと、滑稽な可笑し味がたまらない
関係ないけど、リュファスが来ていたフォーマルコートの裏地が可愛かった
オタール・イオセリアーニ監督の作品は、物語に起承転結を求める人には受け入れられないかもしれませんね
人間観察をじっくりとし、明暗含めてユーモラスな視点で描かえた些細なエピソードの積み重ね、そんな映画が好きな人には見て欲しいけれど
三つのシチュエーションでそれぞれの役者が異なる役を演じているらしいけど、警察署長役の人位しかわからなかった
テアトル梅田にて鑑賞
「沈黙 -サイレンス-」
(2016年 アメリカ制作 162分)
原題:SILENCE
オープニング、静寂が強調される演出が効いて、映画に対する集中力が高まります
が、とにかく拷問のシーンが多くて辛い!
その拷問がまた。。。。ネチネチとキツいのです
にしても、素晴らしいロケーションと美しい撮影は見もの
ロドリゴが霧の中、小舟で五島へと向かう場面は、マーティン・スコセッシ監督が敬愛する溝口の「雨月物語」のシーンを模したものです
息をするのを忘れ、見入ってしまいます
時代はキリシタン(キリスト教徒)弾圧が厳しい江戸時代の日本
宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が棄教したと聞き、師を探しに日本へ向かうロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)
そんな所に行くなんて無茶ですね〜
私はカソリックの学校だったので、キリシタン弾圧の歴史に関するビデオを見せられ、修学旅行では長崎の日本二十六聖人殉教地や平戸にも足を運びましたが。。。。
当時は単に被害者として日本人信徒を捕らえていて、宣教師達の苦悩についてはあまり考えたことがなかったかも
そういう点でも、宣教師目線で語られるこの映画にハッとさせられました
一方、宗教を離れた視点でこの映画をみても、考えさせられる部分は多いと思います
また、塚本晋也さんの凄まじい演技、イッセー尾形さんのいかにも策士の井上Samaなど、その芝居は見応えあります
ところで、キチジロー役の窪塚洋介とアダム・ドライヴァーが同じ系統の顔で「なんかカブる〜」と思ったのは、私だけでしょうか?
162分という長尺と内容の重さで、見た後に軽い疲れを感じました
フラッと気軽に見る映画ではないと思います
原作は遠藤周作
同作家の「深い河」がピンとこなかったので、こちらは敬遠していました
あのグレアム・グリーンが絶賛したらしいから、やっぱり読んどかないとな〜と思い直したところ
遠藤周作作品で初めて読んだのこの本は、感じやすい思春期の少女に少なからず影響を与えた印象的な一冊です
TOHOシネマズ 梅田にて鑑賞
ということで、今月のお勧めできる映画は「この世界の片隅に」です
土・日は立ち見も出ているようで、もう少し上映が続きそうですね
126分、エンドロールも含めて見応えがあります
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公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/home.html
監督:スコット・デリクソン
製作:ケヴィン・ファイギ
脚本:ジョン・スペイツ / C・ロバート・カーギル
製作総指揮:スタン・リー / ルイス・デスポジート / ヴィクトリア・アロンソ
プロダクションデザイン:チャールズ・ウッド
衣装:アレクサンドラ・バーン
視覚効果監修:ステファン・セレッティ
音楽:マイケル・ジアッキノ
(2016年 アメリカ制作 115分)
原題:DOCTOR STRANGE
※ネタバレを含みます、ご注意ください
【ストーリー】
NYの病院に勤務する天才外科医ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、突然の交通事故により両手の機能を失ってしまう
そんな彼を彼を甦らせたのは・・・・
この映画にストーリーの深みとか整合性を求めてはいけません!
(まぁ、そんな人いないと思いますが)
「アントマン」に続き、出演者目当てで見に行ったマーベル作品
↑ポール・ラッド同様、クスッと笑わせてくれる主人公である事を期待しましたが。。。
結果的にはこのキャラと、それ以上に浮遊マントとのコンビネーションが良かったな〜
マントの衿を立てたDr.の仕草に、「シャーロックかっ!」と心の中でツッコミ入れた人が結構いたんじゃないでしょうか?!
それにしても内容が無い、というか話が薄っぺらくて説得力に欠ける〜(笑)
「主人公の脇見&無謀な運転で、いとも単純に自動車事故になる」とか
「ヘナチョコだったドクターが、最強の魔術をすんなり自分のモノにしてヴィランと闘う」とか
「時間を超越する暗黒次元で永遠の命手に入れるを云々」とか
ツッコミどころ満載です
ワクワクする? あるいは アホらしくて見てられない?
人によってはっきりと分かれる映画のような気がします
私が気に入った点と言えば
書庫番ウォン( ベネディクト・ウォン)とのやりとりや、カエシリウス(マッツ・ミケルセン)との会話など笑えるシーンが結構あって、楽しい
そして、やっぱり出演者です
これは個人的な好みが大きく左右しているので、参考にはなりませんが
なんだか変でダサい部分が残っているのがベネディクト・カンバーバッチの魅力だと思うので、すごいハマリ役だと思います
どこから見てもカッコいいハンサムな俳優さんが演じるよりも、よりキャラクターが生きる気がする
師エンシェント・ワン役のティルダ・スウィントンは、現実離れしれいるキャラクターにピッタリ
原作のキャラは白人でも女性でもないようですが、私はティルダ姉さんで満足です
ちょっと残念だったが、マッツ・ミケルセン演じるカエシリウスに全く魅力が感じられなかったこと
マッツの無駄遣いですやん(涙)
そして、作品の大きな魅力は、文字どおり奇妙(ストレンジ)なビジュアルという事になるのかな〜
次元を超えた不思議な映像世界、多元的なパラレルワールドが展開されます
現実に影響を与えないミラー次元とかも(笑)
以前「インターステラー」(2014年)を見た時も、4次元超立方体で時間が交錯してる空間とか、目くらましにあったようでしたが・・・
こちらの方がもっと上手かも
節操なしというか、やったもん勝ちという感じも受けます(笑)
と言いつつ、次は3DIMAX字幕版で見ようと思っています フフ
家庭のTVなど小さな画面で見てしまうと、あまり意味のない映画かもですね
印象に残ったシーンと言えば
クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)がストレンジを治療している間、アストラル体(肉体から抜け出した魂の状態)でDr.が敵と闘うところ
レイチェルの反応がキュートで、ホッとさせられます
アストラル体でDr.とエンシェント・ワンが会話するシーンも、妙にしみじみする
もう一つは、クライマックスで時間を巻き戻して何度も交渉し直すDr.の献身です
その手法、なんでもあり?とも思いますが、キャラクターの個性を表しているようにも感じます
自分の事しか考えず志や信念とは遠いところにいた主人公が、あれほどキツイ試練に何度も耐える、その粘り強さに妙に感心したりして
一方、モルド(チュイテル・エジオフォー)とDr.が並ぶと、なんだか現実味が出ます
二人が「それでも夜は明ける」(2013年)で、奴隷とその主の関係だったからなのか? よくわかりませんがこの感じ、不思議です
ところで、マーベルの「マイティ・ソー」に全く興味なかったけど「3」にはドクター・ストレンジが登場する&ケイト・ブランシェット様もヴィラン役で出るらしいですね
それなら見に行ってやるか(←上から目線)と今は思っています
TOHOシネマズ 梅田にて、2D字幕版を鑑賞
追記:エキスポシティでIMAX次世代レーザー(4K)3D版を見てきました
確かに映像はクリアでしたが、思っていたほど3Dの効果は感じられなかったかも
IMAX、映像よりもむしろ音響が素晴らしいな〜といつも思います
この映画は一度目の方が圧倒的に面白いので、そう繰り返してみるものでもないというのが、正直な感想です
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「バレンタイン チョコレート博覧会 2017」が、昨日から阪急うめだ本店で開催されてます
BABBIでウエハースチョコではなく、ソフトクリームを買いました
フランボワーズ&ピスタチオって、チョコレートじゃないやん(笑)と思いつつ、美味しいからイイんです
週変わりで、来週のフレーバーは「マロングラッセ&チョコレート」らしい。。。。また来ないとな〜
この会場でのイートイン、ソフトクリームだけでも11ブランド18フレーバーあるので目移りしてしまいます
昨年に引き続き「カカオ」に注目したカテゴリーでは、昔JR芦屋駅前の「ハイジ」にいた小山進さんのチョコもあります
しかし、中にはお高いチョコもチラホラあるので、調子に乗って買うとエラい事になります(笑)
さて、明日から大阪市内で上映予定の、気になる映画は