ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

5月第4週・第5週の上映作品(大阪市内)で気になる映画

まだ5月だというのに、毎日汗だくです(私だけ?)

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本格的に暑くなる前に、伊吹山に行ってきました

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山頂の風は、冷たくて気持ちよかったです

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これからは意識的に水分摂取して、熱中症に気をつけたいと思います!

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「孤独のススメ」 〜意外にも感動!の物語〜

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公式サイト:http://kodokunosusume.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・脚本:ディーデリク・エビンゲ
製作:ハイス・ファン・デ・ウェステラーケン
ラインプロデューサー:マヌー・ハーツサーカー
プロダクションマネージャー:サスキア・ファン・デア・タス
編集VPRO:ヨースト・デ・ウルフ
撮影監督:デニス・ウィーラート
編集:マイケル・レイヒワイン
音響デザイン:ヒール・ファン・ヘローフェン
美術:エルザ・クローネンベルフ
アソシエイトプロデューサー:VPRO
(2013年 オランダ制作 86分)
原題:MATTERHORN

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
オランダの田舎町、単調で振り子のような毎日を生きる男やもめのフレッド(トン・カス)。人づきあいを避けひっそりと生活していた彼の元に、ある日突然、言葉も過去も持たない男テオ(ルネ・ファント・ホフ)が現れる。
(公式サイトより転記させていただきました)

「この映画は、孤独と友情、そして解放を描く笑いと涙の物語です」
監督のこのメッセージ ↑ が全てを語ってるので、これ以上の説明は必要ないかも。。。。
ですが、私なりにちょっと補足してみます

最初、信心深い人達が住む保守的な村のフレッドが、見知らぬ男を自宅に住まわせる展開が、結構唐突でした
仕方なしにというよりは、この男・テオ相手にサッカーボールを蹴る当たり、彼を喜んで迎え入れてるのでは?と思わせます
最初はただのホームレスと思われたテオは、実は子供の様な心を持っていて、その行動が予測できない人物だという事がわかってきます

テオの羊の鳴き真似がきっけで、二人は子供向けの見せ物を披露する事に
これがまた見ていられないクオリティで苦笑してしまいますが、テオは何故か子供受けが良いみたいなのです
いや、私から見たらただの頭のおかしな人なんですが(笑)

やがて、フレッドにとってテオは無くてはならない存在になります
そんな二人の関係に嫉妬するのは、近所に住む、これまた違う意味で孤独なカンプスです
この方、悲哀を感じさせると同時にどこか滑稽な人物像でした

後半、テオの特殊な事情が判明したり、意外な二人が結婚式を挙げたりと、やっぱり予想できないヘンテコな展開になっていきます
しかし、このヘンテコになぜか心揺さぶられるのです

フレッドが近所のいじめっ子の言葉に異常に反応した理由も、明らかになります
それにしても、首を絞めた子供の親から訴えられるんじゃないけと、内心ヒヤヒヤしましたよ〜

ラスト、映画のタイトルでもあるマッターホルンを背景に流れる This Is My Life を聴きながら、目頭が熱くなるこの盛り上がりは何なんでしょうね〜
おかしな物語。。。と思って見ているうちに何故か最後は感動させられるんだから、たいしたもんです!

「自分自身を解放し、自由に生きる」 そんな事を考え直すきっかけとなる映画でした
同じくオランダ発の映画では、コメディ「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」も近日上映されるようで、こちらも楽しみです

シネ・リーブル梅田にて鑑賞

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち

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公式サイト:http://eichmann-show.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

 

監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
脚本:サイモン・ブロック
製作:ローレンス・ボーウェン、ケン・マーシャル
撮影:カルロス・カタラン
プロダクションデザイン:グレンヴィル・ホーナー
キャスティングディレクター:ジュリー・ハーケン
メイクアップ:エグレ・ミカラウスカイテ
衣装:ダイバ・ペトルリトレ
共同製作:シタル・タルワール
製作総指揮:フィリップ・クラーク
(2015年 イギリス制作 96分)
原題:THE EICHMANN SHOW

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
世界が震撼したナチスの戦犯アイヒマンを裁く“世紀の裁判”の制作・放映の裏側を描くヒューマンドラマ
1961年、エルサレム。革新派の敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマン(マーティン・フリーマン)は、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にテレビ中継するという前代未聞の計画の実現に向けて、全力を注いでいた。
(公式サイトより転記させていただきました)

先日見た「スポットライト」に引き続き、ジャーナリズムの映画
けど、↑ の方がワクワクしたし正直面白かった

何故かというとこの映画の主人公、TVプロデューサーのミルトンの立ち位置が「高視聴率ありき」だったから
アイヒマンの裁判というシリアスな題材でも、タイトル通りショー的な盛り上がりが欲しいわけですよ
そこがTVでの報道の限界という気もしますが、TVだからこそ一般市民に広く知れ渡るという大きな利点もあるし、難しいところですね

それでも、この世紀の裁判を広く世間に伝えたい!というミルトンの意気込みと努力には敬服します
今日、私達がこの貴重な映像を見る事ができるのも、裁判を記録した彼らのおかげです
こういう役のマーティンって、説得力があってリアルです

一方、ドキュメンタリー監督フルヴィッツの思い込みの激しさには、少々嫌気が差してしまいます
誰もがアイヒマンのように成り得る、という考え方自体は「ハンナ・アーレント」とも通じるところがあって理解できるのですが
アイヒマンの「本性をあばく」という事に取り憑かれ、それが彼の表情に現れると信じているところが、どーも共感できない

私自身の勝手な想像では、アイヒマンはこの時、必死になって自分を心が死んでいる状態に保ってたんじゃないのかな〜?などと思います
目の前に流されるホロコーストの映像や生存者の発言を、見ているようで聴いているようで、実は全く見てないし聴いていなかったのだと思うのです

そのあたりは誰にもわからない事なのに、フルヴィッツは自分が「こうあってほしい」という映像に固執しすぎという印象を受けました

ホロコーストの映像や強制収容所生還者の話については「スペシャリスト~自覚なき殺戮者~」「ハンナ・アーレント」などの映画や様々なドキュメンタリー特集番組をご覧になったいる方にとっては、特に目新しいものではありません
しかし、強制収容所の映像は予想どおり強烈なので、注意が必要です

スペシャリスト / 自覚なき殺戮者 (HDニューマスター版) [DVD]

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この映画を見ているとホロコーストよりも、当時裁判が行われた土地を追い出されたパレスチナ人達の方に思いが行ってしまいます
過去から学ぶ事も大切ですが、パレスチナ問題は現在進行形ですから
過去に迫害された人達の子孫が今はパレスチナ人を迫害している、実に皮肉です

ドラマ「ルイス警部」のイノセント主任警視役レベッカ・フロントが、フルヴィッツの滞在する宿の女主人役として出演してます
彼女「ルイス警部」の最終シリーズには出てないのか。。。

テアトル梅田にて鑑賞

 

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5月第2週・第3週の上映作品(大阪市内)で気になる映画

風薫る五月、世間は大型連休ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?!

先日、萬葉植物園へ行ってきました。

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藤の花の季節だったので海外の方も含め大勢の人に、ちょっと疲れました

それでも、少しはずれた道に入ると静かな場所がある、そこが奈良らしいというか〜

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そんな奈良はやっぱり落ち着けるし、大好きです
帰りに商店街で買ったよもぎ餅も、素朴で美味しかった ♪

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「最高の花婿」「橋からの眺め」「ルーム」「スポットライト」

ブログをさぼっているうちに、4月も終わってしまいそうに
今月見た映画の感想を簡単にあげておきます(鑑賞順)
※ネタバレを含みます

 


「最高の花婿」(シネ・リーブル梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://www.cetera.co.jp/hanamuko/
※音声が出ますのでご注意ください

フランス、地方のブルジョワ家庭で3人の娘達が皆、異人種の男性と結婚し、残った末娘に期待をかける両親の様子を描いたドタバタホームコメディです
結構ドギツイセリフや人種差別的な事も笑いにしちゃってますが、全くイヤな感じは受けません

移民の多いフランスなら充分起こりそうな話ですが、この家庭はブルジョワだから何かにつけ余裕を感じてしまうんですけどねー
結婚相手の男性達も経済的に恵まれた育った感じですし、移民として差別を受けテロ的思想に向かってしまうなんていう感じとは全くかけ離れた世界でしょうか

それでも、異なった文化を理解できなくても相手の事を知ろうとする気持ちと、それを受け入れる寛容さが必要なんだな〜と、あらためて感じます
日本にいるとなかなか実感する機会がないのですが、移民である事の生きにくさを少し想像してみる事が必要じゃないかな、と今は思います

 


「橋からの眺め」(上映終了)

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公式サイト:http://www.ntlive.jp/

ナショナル・シアター・ライヴにしては、ちょっと短めの上映時間でしたが、アーサー・ミラー原作の重い話だったのでこれ位が限界だったかもしれません
ずっしりときましたからね〜

冒頭、主人公エディにあまりにも無邪気な様子で抱きつく姪キャサリンの様子に、嫌な予感がよぎります
エディのキャサリンに対する強い執着心は、見る者に嫌悪感を抱かせ、ずんずん空気が重くなっていきます
背景に流れる打楽器の音で、より緊迫感が強調され正直見ていてしんどい

主演のマーク・ストロングの細マッチョな裸体が眩しかった(笑)
プロローグ、この作品で2015年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀演出賞を受賞した演出家のイヴォ・ヴァン・ホーヴェが出てきましたが、芝居への思いみたいなモノが感じられる、こういう映像が面白いですね

 


「ルーム」(TOHOシネマズ梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://gaga.ne.jp/room/
※音声が出ますのでご注意ください

誘拐され7年も監禁された少女と、そこで生まれ育った5歳の息子、二人がそこから抜け出し、自分達の本来の生活を取り戻そうとする物語です

前半はとにかく、無事に脱出してくれ〜!と、祈る様な気持ちで見てしまいます
(ここで登場する婦人警官のシャーロック・ホームズばりの名推理が、個人的にはツボでした)

そして後半、脱出できたから万々歳ではない、厳しい現実があります
ここからを重点的に描いたところが、よくあるサスペンスドラマや犯罪ドラマとこの映画の違うところです
主人公の揺れる気持ちが痛々しい、けれどその強い母性に心揺さぶられるのです
事件との決別とまではいかなくても、自分の中での一つの区切りができたような希望を持てるラストシーンにホッとします


「スポットライト 世紀のスクープ」(TOHOシネマズ梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://spotlight-scoop.com/
※音声が出ますのでご注意ください

神父達の児童への性的虐待とカトリック教会のスキャンダルを、ボストン・グローブが報道するまでの経緯を描いた作品
見る前からある程度のカタルシスを得られる映画だと期待してましたが、予想どおりでした

カトリック教会については、このボストン・グローブでの大々的な報道以前から胡散臭さを感じていた人は結構いたんじゃないでしょうか
そういえば、ペドロ・アルモドーバルの「バッド・エデュケーション」でも神学校で受けた性的虐待が描かれてましたね

マーク・ラファロがすごく若々しくて、向こう見ずな記者の雰囲気がすごく出てた〜
相変わらず役ごとにガラッと違ってて、良い俳優さんだなぁ
他の俳優陣も言う事なしで、特にリーヴ・シュレイバーが渋い
紅一点のレイチェル・マクアダムスもこの作品では好感度高し!
あえて(かどうか)ドラマティックな演出なしで、真面目で地味な印象の作風も結構好みです


黄砂のせいなのか不明ですが、昨日から頭痛と体調不良で悩ましい
花粉アレルギーの時期よりも、なんだかしんどいこの季節
それでも被災地の方達の事を考えたら、贅沢言ってられません
気合いだ!

4月第4週・5月第1週の上映作品(大阪市内)で気になる映画

毎年蓮花の花を求めてウロウロしますが、今年は京都・広沢池近辺まで行ってきました
(22日にレンゲ摘み大会があったようなので、現在花は無いと思います)

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訪れた日は田んぼの中に入れず残念でしたが、大沢池のほとりには手の触れられる場所に少しだけ花がありました
ご近所だから種が飛んで来てるんでしょうね

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蓮花の花ってどこにでもありそうで、なかなか良い所がなくて難しい。。。。
来年こそは、その香りを満喫したい〜!!

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「リリーのすべて」〜妻の愛に涙する〜

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公式サイト:http://irisapfel-movie.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・製作:トム・フーパー
製作:ゲイル・マトラックス / アン・ハリソン / ティム・ビーヴァン / エリック・フェルナー
脚色:ルシンダ・コクソン
原作:デヴィッド・エバーショフ
製作総指揮:リンダ・レイズマン / ウルフ・イスラエル / キャシー・モーガン / ライザ・チェイシン
撮影監督:ダニー・コーエン
プロダクションデザイン:イヴ・スチュワート
編集:メラニー・アン・オリヴァー
衣装デザイン:パコ・デルガド
メイクアップ・ヘアデザイン:ジャン・スウェル
音楽:アレクサンドル・デスプラ
(2015年 イギリス/ドイツ/アメリカ制作  120分)
原題:THE DANISH GIRL

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
1926年、デンマークのコペンハーゲン。
アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、風景画で才能を高く評価されている気鋭の画家
彼ほど有名ではなかったが、妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も肖像画を専門にする画家として活動していた
(公式サイトより転載させていただきました)

エディ・レッドメインよりも、相手役&演じる女優さんの方が断然輝いてる〜
これって「博士と彼女のセオリー」と同じパターンじゃないですか!

前半はちょっと単調に感じて、それほど引き込まれませんでした
世界で初めて性別適合手術を受けたとされるリリー・エルベ
その生涯を基に書かれた作品(フィクション)の映画化です
なので、夫婦の関係性が実際はどうだったか知る由もないのですが
ここで描かれる妻ゲルダの献身的な愛情に後半、胸が熱くなります。

だって、考えてもみてください
自分が愛した夫が「女性になりたい」「男性を愛したい」「その人の子供を産みたい」などと、のたまう
こんなの「やってられない!」です
ちゃぶ台、ひっくり返したくなります

しかし、ゲルダは違うのです

最初こそ夫とヘンリクの関係を問いただしてましたが、次第に彼自身を理解し協力しようと努めます
ヘンリク役のベン・ウィショー、存在感がありすぎて正直エディがかすんでしまった(笑)

女装した夫の姿に触発され、画家としての新境地が開けたゲルダ
しかし、愛し愛されたアイナーという存在が消滅してしまう事への絶望感が切ない
「その人の幸せを第一に考える」というのが、人を愛するという事
それがわかっていても、現実的にはなかなか難しいですよね

包容力ある女性の物語で、複雑な妻の心情が染みる〜という点で「博士と彼女のセオリー」を観た時と同じような気分になります

一方、リリー(アイナー)が妻ゲルダをどう愛していたのかが、あまり伝わってこなかった
というか、描いていなかった?!
最終的に女性になる決心をする彼ですが、自身の真の願望にとまどい、体と心の不一致に悩む、そんな過程があっという間でした
まさに、自分の欲望にまっしぐら!という感じです
それだけにリリーには、かなり共感しずらい〜

元々エディは、存在感のある女優さんの傍らにそっといる感じが似合うと思います
「イエロー・ハンカチーフ」ではクリステン・スチュワート
「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ
「レ・ミゼラブル」でアマンダ・サイフリッド
と、各女優を引き立てているような気がする
中身は全然違うけどトランスジェンダーがらみでは、「彼は秘密の女ともだち」のロマン・デュリスの方が一枚も二枚も役者が上だな〜
なんて、個人的には思ってしまいました

そんな訳で、アリシア・ヴィキャンデルの良さで見る映画だと思います
ラスト、ハンス(マティアス・スーナールツ)と共にゲルダが見るデンマークの風景が、一番印象的で美しかった

TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞

 

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マティアス・スーナールツ出演映画


ベン・ウィショー出演映画

 

その他


「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」〜人生の先輩に教えられること〜

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公式サイト:http://irisapfel-movie.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・撮影:アルバート・メイズルス
製作:ローラ・コクソン / レベッカ・メイズルス / ジェニファー・アシュ・ラディック
共同製作:ポール・ラブレース
製作総指揮:ドリーン・スモール
編集:ポール・ラブレース
撮影:ネルソン・ウォーカーIII / ショーン・プライス・ウィリアムズ
録音:マイク・カラス
音楽:スティーブ・ガン / ジャスティン・トリップ
タイトル:スティーブ・パワーズ / ジェニファー・バナイ
(2015年 アメリカ制作  80分)
原題:IRIS

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
94歳にして多くの有名デザイナーたちからリスペクトされ、今なおNYのカルチャーシーンに影響を与える、アイリス・アプフェルのドキュメンタリー映画
(公式サイトより転記させていただきました)

「センスがなくても幸せならいい」

そーなんですよ!
別にお洒落じゃなくても、幸せならいいんです
何に喜びを見いだすか、価値観は人によって違う訳ですから〜

そういった名言がポンポン飛び出す、スーパーばあちゃんアイリスのドキュメンタリー
前回見た映画の主人公もそうだったけど、ボジティヴな人は見ていて元気をもらえます
それがフィクション(つくりもの)でないなら、なおさらです

アイリスを見ていて、思ったこと
人にどう思われるかじゃなく、自分がどうしたいかという事が基本
そして、自分したいと思う事は躊躇なく実行する意思の強さがある

これって当たり前のようでも、結構難しいんじゃないかなぁ
私自身も年をとった今は図々しくなって、好きなように振る舞えるけど、若い時は周りに左右されてしまう事も結構あった気がする

彼女はまた、どん欲でもあります
様々な美しいモノに興味を持ち、自分のコレクションにします
そして、それが安価であっても必ず値切ります(笑)

アイリスが手仕事によってつくられたモノに惹かれる傾向は、彼女の育った時代に関係しているように感じます
その人生の前半を過ごしたのは、ファッションといえばオートクチュールその他オーダーメイドのモノしか存在しない時代
経済的にも恵まれ、こういった丁寧に作られたモノをちゃんと見てきた人達は、やっぱり目が肥えてるんだろうなぁと想像します

同じくドキュメンリー「アドバンスト・スタイル」(2014年)は登場する人達のファッションがとても参考になったけど、この映画はファッションとしてのスタイルよりも、アイリスその人の生き方のスタイルが面白かった

「自分を美人だと思ったことは、一度もない。
私みたいな女は、努力して魅力を身につけるの」

彼女はパワフルなんだけど、90歳という自分の年齢もちゃんと受け止めていて、時には疲れた顔も見せる
そこもまた、ナチュラルで良いと思う
アパートの部屋は縫いぐるみなど可愛いものが山のように溢れているのに、何故か統一感があるのも不思議

どうしたって細胞は日々衰えていくわけで、それを認識しながらも精一杯毎日を生きていかなきゃ!と、こういう先輩は思わせてくれるんです

テアトル梅田にて鑑賞

 

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